住宅ローンの金利に関する知識を総まとめ!推移・変動要因を解説

住宅ローンを申し込みたいけど「住宅ローンを選ぶ基準が分からない」このように考えている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンは金利の違いによって返済額の推移が違ってきます。金利が上がるとローン返済時の利息が増えるため、少しでも自分に有利な住宅ローンを選ぶことが大事です。
そこで今回は、住宅ローンの金利について徹底解説。「そもそも住宅ローンとは?」という疑問から「住宅ローンの金利が何故変化するのか」などを紹介します。

この記事で住宅ローン金利の基礎を学びましょう。
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目次
住宅ローンの金利とは?
住宅ローンの金利とは、住宅を購入する際に利用するローンのことをいいます。
一口に住宅ローンといっても、固定金利や変動金利、保障がついているタイプなど様々です。ここでは、住宅ローンの基礎となる固定金利と変動金利について紹介します。

3つの金利タイプの特徴をよく理解して、自分のライフプランに合わせた特徴を持つ住宅ローン商品でローンを組んでいきましょう。
全期間固定金利型 | 変動金利型 | 固定金利期間選択型 | |
---|---|---|---|
メリット | 契約時の金利が固定のため、返済の長期プランを立てやすい | 市場金利が下降している場合、恩恵を受けられる | 期間限定の固定金利なので、期間を決めて金利を見直せる |
デメリット | 金利が固定のため、市場金利が低い場合、恩恵を受けられない | 契約時の金利に関係なく、市場金利の上昇の影響を受けてしまう | 金利を再設定する際、市場金利が高ければ、金利も高くなる |
おすすめな方 |
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全期間固定金利タイプ
全期間固定タイプは住宅ローンを借り入れした時から返済が完了するまで、金利が一度も変化しないものをいいます。
代表的な金融商品として「フラット35」が該当するでしょう。フラット35では最長35年のローンに対して金利が全期間で一定の住宅ローン商品です。
- 一度金利を設定したら返済完了まで金利が一定
- 借り入れ期間が長い方におすすめ
全期間固定金利タイプのメリット
全期間固定金利タイプのメリットとしては金利が変わらないので、長期的な計画を立てやすいです。
また、金利上昇リスクを回避できるため、返済途中で金利が上昇しても返済額が変わらないため、リスクを抑えて住宅ローンを借りたい方にもおすすめです。
- 市場金利が上昇したとしても金利が固定されており、金利上昇分お得
- 金利が固定されており、返済金額が途中で変わらない
全期間固定金利タイプのデメリット
全期間固定金利タイプのデメリットとしては市場金利が下がった場合、変動金利と比べて、余計に住宅ローン支払いをしなければいけない点が挙げられます。
現在は政府の低金利政策の影響で住宅ローンは歴史的な低金利で推移しています。低金利政策の影響によってさらに金利が下がった場合には固定金利を選択している方は不利になるといえるでしょう。
出典:フラット35「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」
上記のグラフは固定金利を提供しているフラット35が公表した、変動金利の推移を示したもので1984年から現在までの金利推移をみても低金利で推移しているとがわかるでしょう。

市場金利が大きく下がることが予想できるのであれば、全期間固定金利タイプはお得とはいえませんね。
固定金利間期間選択タイプ
固定金利間選択タイプは最初の数年間は金利を固定し、固定期間が終了したら、変動金利に移行するタイプです。
頭金が少ない方や返済金額を最初に確定したい方におすすめです。
- 固定した最初の期間は返済計画をたてやすい
- 固定期間が終わった後は変動金利に移行する
固定金利期間選択タイプのメリット
固定金利期間選択タイプのメリットは、全期間固定金利タイプと変動金利タイプの良い部分を両どりできる点です。
- 固定金利期間は金利が一定なため、返済額が変わらない
- 返済額が変わらないことから、返済計画がたてやすい
- 変動金利に移行した際に市場金利が低くなると住宅ローン返済がお得になる
固定金利期間選択タイプのデメリット
固定金利期間選択タイプのデメリットとして挙げられるのは固定期間が終わった後に市場金利が上昇してしまった場合です。
市場金利が変動しないもしくは、低下するのであれば、固定金利期間選択タイプが理想的な形です。しかし、上昇してしまうと全期間固定金利の方が金利の低い形になり、お得とはいえません。

固定期間が途中までなため、返済金額が完全には決まらないことも頭に入れておきましょう。
変動金利タイプ
変動金利タイプは市場金利が変動すると、それに応じて住宅ローン金利が変動するタイプです。
頭金を多く用意できる方や住宅ローンの返済期間が短い方におすすめとなります。

変動金利では金利変動リスクをローン返済者(借主)が負担することになります。固定金利よりも総返済額が安くなる可能性もあります、
- 市場金利が低下すれば支払う住宅ローンの金額が少なくなる
- 市場金利が上昇すれば支払う住宅ローンの金額が多くなる
変動金利タイプのメリット
変動金利タイプのメリットは市場金利が低くなれば、支払う住宅ローンの金額が少なくなるので、全期間固定金利タイプや固定金利期間選択タイプよりも支払いがお得になる点です。
住宅ローンの借入期間が短ければ、変動金利タイプがおすすめといえるでしょう。
変動金利タイプのデメリット
変動金利タイプのデメリットは市場金利が高くなると、支払う住宅ローンの金額が多くなってしまう点です。
もちろん住宅ローン金利が下がる場合も考えられます。現在は歴史的にみても超低金利の時代です。

そのため、長期間の住宅ローンを検討している方には向かない住宅ローン金利といえるでしょう。
住宅ローンの相場【新規借入時】
先ほども解説した通り、住宅ローンには「固定金利型」「変動金利型」の2種類があり、変動金利型の方が借主の金利変動リスクを請け負っていることから有利な金利が期待できます。
現在は歴史的な超低金利時代となっていますが、金利相場についても気になる方は多いはずでしょう。

そこで、変動金利・固定金利の相場について解説して行きます。
金利タイプ | 金利相場 |
---|---|
変動金利 | 0.3%〜1.0% |
固定金利 | 0.7%〜2.0% |
変動金利の相場
金融機関 | 金利・プラン |
---|---|
auじぶん銀行 | 年0.319%(全期間引下げプラン) ※新規借り入れ時。審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。 |
住信SBIネット銀行 | 年0.410%(通期引下げプラン) |
PayPay銀行 | 年0.380%(全期間引下げ型) |
ソニー銀行 | 年0.457%(自己資金10%以上) |
三菱UFJ銀行 | 年0.475%(ネット専用変動金利選択プラン)※金利は借り換えの場合年0.345%~年0.475%。適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。 |
※2023年12月時点
変動金利で人気のネットバンクにおける金利平均は0.406%。金利1%を切っている超低金利を推移しております。
日銀の政策金利によって、住宅ローン金利も低水準で推移していることがわかります。コロナ禍の影響によって政策金利の上昇の可能性も考えられますが、引き続き低金利が続くと予想されます。
固定金利の相場
金融機関 | 金利・プラン |
---|---|
住宅金融支援機構 | 1.430%~2.350% |
auじぶん銀行 | 年0885%(10年/当初期間引下げプラン) |
住信SBIネット銀行 | 年1.37 %(固定金利20年 当初引下げプラン) |
PayPay銀行 | 年0.690%(固定金利10年/当初期間引下型) |
ソニー銀行 | 年0.650%(自己資金10%以上) |
三菱UFJ銀行 | 年1.12%~年1.25%(固定10年) ※適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。 |
※2023年12月時点
変動金利と比較すると固定金利は割高となっていることがわかります。しかしながら固定金利においても低金利で推移しています。
住宅ローンの金利変動リスクを抑えてマイホーム購入を検討している方であれば、固定金利での購入を検討するといいでしょう。
住宅ローンの相場【借り換え時】
住宅ローンの借り換えでは、現在借入している金融商品と、金融機関が提供している住宅ローン商品の方が返済額が少なくなったり、保障が手厚くなった利する場合に検討します。
現在は日銀のマイナス金利政策の導入により超低金利で推移している住宅ローン商品も多く、10〜20年前の住宅ローン商品と比較しても返済額を落として借り換えが行える場合もあります。
出典:auじぶん銀行 「実際どれくらい金利が下がっているの?」
そこで、気になる借り換え時の金利相場について解説して行きます。
金利タイプ | 金利相場 |
---|---|
変動金利 | 0.3%〜1.0% |
固定金利 | 0.7%〜2.0% |
変動金利の相場【借り換え時】
金融機関 | 金利・プラン |
---|---|
auじぶん銀行 | 年0.298%(全期間引下げプラン) ※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。 |
住信SBIネット銀行 | 年0.380%(通期引下げプラン) |
PayPay銀行 | 年0.380%(全期間引下げ型) |
ソニー銀行 | 年0.457%(自己資金10%以上) |
三菱UFJ銀行 | 年0.475%(ネット専用変動金利選択プラン)※借り換えの場合、金利は年0.345%~年0.475%。※適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。 |
※2023年12月時点
人気のネットバンクの住宅ローン金利は借り換えの場合においても低金利で推移。変動金利であれば0.3%〜0.48%程度で借り換え可能です。
auじぶん銀行の最低金利0.31%で2000万円を20年間で借入できた場合には、月々の返済額88,499円、そう返済額20,622,467円になります。
固定金利の相場【借り換え時】
金融機関 | 金利・プラン |
---|---|
住宅金融支援機構 | 1.430%~2.350% |
auじぶん銀行 | 年0.885%(10年/当初期間引下げ) ※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。 |
住信SBIネット銀行 | 年1.37 %(固定金利20年 当初引下げプラン) |
PayPay銀行 | 年0.690%(固定金利10年/当初期間引下型) |
ソニー銀行 | 年1.050%(自己資金10%以上) |
三菱UFJ銀行 | 年1.12%~年1.25%(固定10年) ※適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。 |
※2023年12月時点
借り換え時の固定金利においても新規借入の金利と大きく変化はなさそうです。1%代から借りられる金融商品も多く、金利変動リスクを抑えつつ住宅ローンの借入が可能です。
住宅ローンの金利の推移
出典:住宅金融支援機構公式HP
上の図は、1984年から2021年10月までの住宅ローンの金利推移をチャートにしたものです。
1984年時点では固定金利期間選択型(10年)、固定金利期間選択型(3年)の金利データがないのですが、変動金利は8%を超えている年があります。

バブル時の金利は今に比べて非常に大きいものでした。
1995年以降は固定金利期間選択型(10年)が2021年に至るまで他の二つの金利タイプより高い水準で推移しています。
固定金利期間選択型(3年)と変動金利は順位が入れ替わる時期もありましたが、2007年以降は変動金利が一番金利の低い状態で推移しています。
住宅ローン金利タイプ | 金利 |
---|---|
固定金利期間選択型(10年) | 年3.250% |
固定金利期間選択型(3年) | 年3.000% |
変動金利 | 年2.475% |
上記以外にも銀行変動金利やフラット35最低金利をはじめとした住宅ローン金利に関わるレートや金利の推移をみてみましょう。
1985年 | 2000年 | 2010年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|
日本銀行変動金利 | 7.400% | 2.375% | 2.475% | 2.475% | 2.475% |
フラット35最低金利 | – | – | 2.600% | 1.170% | 1.43% |
基準割引率および基準貸付利率 | 5.000% | 0.500% | 0.300% | 0.300% | 0.300% |
長期プライムレート | 7.400% | 2.200% | 1.650% | 0.950% | 1.100% |
出典:イー・ローン公式HP
それぞれどのような指標なのかは以下になります。こちらの金利の動きによって住宅ローンの金利も変化する可能性があることを頭に入れておきましょう。
- 日本銀行変動金利・・・日本銀行の変動金利
- フラット35最低金利・・・多くの方利用するフラット35の最低金利
- 基準割引率および基準貸付利率・・・日本銀行が各銀行に貸し出す際の金利
- 長期プライムレート・・・大企業が借り入れを行う際の優遇金利

日本の景気を表す様々な指標、様々な金利など多くの要因が複雑に絡み合って住宅ローンの金利が決定されます。
住宅ローンの金利が変化する要因
住宅ローンの金利が変化する要因は様々。「日経平均株価の動向」「景気によっての変化」「政策金利や長期金利」などの影響によって住宅ローンは常に変化しています。
そのため、今後の住宅ローン金利の変動を予測するのは難しいとされています。
そこで、今回は住宅ローンの種類(変動金利・固定金利・固定金利期間選択型)の金利が変化する要因を解説します。
- 変動金利の場合|景気・金融情勢
- 固定金利の場合|国債などの長期金利
- 固定金利期間選択の場合|スワップレート
変動金利の場合|景気・金融情勢
変動金利型の住宅ローン商品は「短期金利」が基準になっていることが一般的です。そのため景気動向や金融情勢によって金利が変化しやすい住宅ローン商品です。
短期金利の指標として考えられるのが「短期プライムレート」。短期プライムレートは日銀HPにて動向を確認することも可能です。
短期プライムレート | 短期プライムレートの最頻値(年率) |
---|---|
平成20(2008)年 3月11日 | 1.875 |
平成21(2009)年 4月10日 | 1.875 |
平成22(2010)年 4月 9日 | 1.875 |
平成23(2011)年 4月 8日 | 1.875 |
平成24(2012)年 3月 9日 | 1.875 |
平成25(2013)年 4月10日 | 1.475 |
平成26(2014)年 2月12日 | 1.475 |
平成27(2015)年 2月10日 | 1.475 |
平成28(2016)年 3月10日 | 1.475 |
令和2(2020)年 4月10日 | 1.475 |
出典:日本銀行 「短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降」
つまり、一般の個人向けに住宅ローン商品として短期プライムレートの金利を水準でお金を貸し出しているのです。
固定金利の場合|国債などの長期金利
全期間固定金利型の住宅ローンの金利は、国債金利などの長期金利と連動した値動きを取るとされています。
財務省の国債の金利情報が参考となるデータとなります。日銀の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」(2016年1月)によって2016年には金利が大きく下落していることがわかります。
さらに近年のコロナ禍の影響により、政府の緊急経済対策によって国債の発行を増加させました。それにより、10年もの国債の金利は「ゼロ%程度で推移する」ように買入れを実施。
出典:日本銀行 「金融市場調節方針の変遷を教えてください。」
今後もコロナ禍の影響による低金利の推移が続くと考えられるでしょう。
固定金利期間選択の場合|スワップレート
固定金利期間選択型では、一定期間の固定金利からその後変動金利型へと推移していく住宅ローン商品です。
固定金利型よりも若干借入時の金利が小さいのが魅力ですが、金利の指標は「円金利スワップレート」が基準となることが多いです。
出典:三井住友信託銀行 「東京円金利スワップレート<QUICK>10年」
円金利スワップレートとは、固定金利と変動金利を交換するための金利変動リスクを回避するための手数料のようなイメージです。
また、金利スワップレートは10年もの国債金利と同じような値動きをする特徴をもつので、国債の値動きも変動推移を予想するのに役立つでしょう。
住宅ローンの金利の設定時期の違い
住宅ローン金利にどのような種類があるのか、住宅ローン金利は何が要因で変動するのか紹介しましたが、住宅ローン金利の設定時期における違いも把握しなければならないポイントです。
- 申し込み時金利
- 実行時金利
申し込み時金利
申し込み時金利はその名の通り、住宅ローンを申し込みした時の金利になります。

融資実行した時ではなく、申し込み段階の金利が適用される点がポイントです。
そのため、住宅ローンを申し込みした時よりも融資実行した時の方が金利上昇していると、損な形になります。
逆に、住宅ローンを申し込みした時よりも融資実行時の金利が低くなっていれば、お得な形になります。
実行時金利
実行時金利は住宅ローンの申し込み時ではなく、融資を実行した際の金利になります。

住宅ローンを実際に借り入れするまで金利が決定しない点がポイントです。
そのため、申し込み時金利と比べて、融資実行時の金利が低くなっていれば損といえるでしょう。
一方、住宅ローンを申し込みした時よりも融資実行した時の方が金利上昇していると、実行時金利の方がお得といえます。
住宅ローンの返済方法の種類
最後に紹介するのが住宅ローンの返済方法の種類についてです。住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」「元金均等返済」の2つの方法があります。
住宅ローン選びで迷ってしまうであろう返済方法ですが、月々の返済方法によって総支払額に変化が現れるので、日々の収支バランスを考えて選択するのがベストです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
元金均等方式 |
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元利均等方式 |
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元利均等返済
元利均等返済とは返済額が完済まで一定のタイプをいいます。そのため、最初に返済計画をたてたら、以降は返済プランが変わることはありません。
元利均等返済のメリットは元金均等返済と比べると「返済計画がたてやすい」、「元金均等返済よりも最初に返済する金額が少ない」といったところです。
- 一定の返済金額を返済するため、返済プランをたてやすい
- 元金均等返済と比較すると、返済を始めた最初の期間は返済額が少なくなる
- 元金均等返済と同じ借入期間の場合、総返済額は元利均等返済の方が多い
- 住宅ローンの減りが元金均等返済よりも遅い
- 返済資金が心元ない方におすすめ
元金均等返済
元金均等返済は最初の返済金額は大きいのですが、返済を続けていると段々、毎月の支払い金額が少なくなる住宅ローンの支払い方法です。
- 最初が一番支払い金額が大きく、段々と支払い金額が少なくなる
- 同じ期間の場合、元利均等返済よりも返済額が少なくなる
- 返済資金が多い方におすすめ
返済方法別でのシミュレーション
元利均等返済と元金均等返済の方法によってどれくらい総返済額に差が生じてくるのか気になるという方も多いでしょう。
先ほども解説した通り、「元金均等返済方式」の方が総返済額を少なくして返済できますが、月々の返済額が大きくなるのが特徴です。
返済方式 | 元利均等返済 | 元金均等返済方式 |
---|---|---|
借入金額 | 4000万円 | 4000万円 |
返済期間 | 35年間 | 35年間 |
借入時金利 ※フラット35の最低金利 | 1.43% | 1.43% |
毎月返済額 | 121,106円 | 142,904円 |
総返済額 | 50,864,700円 | 50,033,631円 |
上記の結果では、借入金4000万円・借入期間35年に対して、総返済額は元利均等返済型と元金均等返済型の差額は「831,069円」となっています。
毎月の支払額の差は「21,798円」となっており、月々の返済額と家計の収支バランスを考慮した返済方法を選択するのがいいでしょう。
2022年以降の住宅ローンの金利はどうなる?
長らく「超低金利時代」が続いている日本。1999年に始まったゼロ金利政策や、2013年より導入された大規模な金融緩和政策によって、低水準の金利をキープしています。

新型コロナウイルスの流行も、低金利に大きな影響を与えています。
しかし、これから住宅を購入する人にとって重要なのは、2022年以降の金利でしょう。
今後の金利推移がどうなっていくか、変化の要因となる要素と影響について解説していきます。
- 金融政策による影響
- コロナ禍により影響
金融政策による影響
2020年は、新型コロナウイルスの流行によって落ち込んだ経済を立て直すため、世界各国が金融緩和へと舵を切りました。
しかし、新型コロナウイルスのワクチンが開発され普及したことから、アメリカでは失業率が低下。消費者物価指数は上昇し、景気が回復の兆しを見せており、日本でも消費者物価指数は回復傾向にあります。
出典:NHK 「1月の消費者物価指数 去年同月を0.2%上回る 5か月連続上昇」
また、FOMC(米連邦公開市場委員会)は、テーパリング(量的緩和縮小)を加速することをたびたび示唆しており、RETERSでは0.5%の利上げ確率が63%に上昇したことを公表しています。
出典:REUTERS 「米5月FOMCでの0.5%利上げ確率が63%に、FRB議長発言受け」
金融緩和を段階的に縮小し、利上げを開始する可能性が高まっているアメリカ。日本の長期金利はアメリカに連動しているため、今後の金利変動には要注意です。
固定金利においては日本は国債の利回りと連動性が高いと言えます。また、「フラット35」の金利は日本国債とほぼ連動するように金利が設定されているのでアメリカの金融情勢は要チェックです。
コロナ禍による影響
住宅ローンの固定金利は、長期金利とともに変動します。アメリカの影響で日本の長期金利が上昇すれば住宅ローン金利も上昇する、と思うでしょう。
しかし、2022年も金利が急激に上がる可能性は低いとみられています。

日本はアメリカに比べてワクチンの普及率が低く、経済の回復も遅れていることが原因です。
また、銀行は住宅ローンに対して積極的なので、大幅に金利を上げることはないでしょう。多少アメリカの金融政策の影響で日本国債にも利上げから固定金利の上昇があるかもしれません。
一方の変動金利は金融機関の優遇金利の提供により、住宅ローン金利が低金利で推移しており、住宅ローン商品を多くの顧客に利用してもらおうとしております。
上記のような優遇金利サービスによって各銀行間の住宅ローン商品の競争によって変動金利においては引き続き低金利の状況が進むと考えられます。
変動金利で住宅ローンを組む場合は、金利情報をこまめにチェックし、金利の上昇にも対応できるようにしてください。
おすすめの住宅ローン4選を比較
ランキング根拠はこちらからご覧いただけます。
auじぶん銀行
- 2022年オリコン顧客満足度調査「住宅ローン」で1位を獲得
- 「au回線」と「じぶんでんき」のセット契約で金利引き下げの優遇あり
- 団体信用生命保険の保障内容が充実
auじぶん銀行は、低金利の住宅ローンを提供しています。※
変動金利(新規借り入れ、全期間引下げプラン) | 年0.319% |
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固定金利10年(当初期間引下げプラン) | 年0.885% |
固定20年(当初期間引下げプラン) | 年1.395% |
固定35年(当初期間引下げプラン) | 年1.810% |
au金利優遇割が利用できる
住宅ローンと一緒にau回線とじぶんでんきを契約すれば、au金利優遇割が適用されます。
auモバイル優遇割 | 住宅ローン適用金利から年0.07%引下げ |
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じぶんでんき優遇割 | 住宅ローン適用金利から年0.03%引下げ |
au金利優遇割が利用できれば、合計で0.1%も引き下げられることに。借入額の大きい住宅ローンでは、大きなメリットです。
団体信用生命保険が充実
auじぶん銀行では、5つの団信プランを取り扱っています。その中でも特徴的なものを3つ紹介します。ただし新団信は、2023年7月1日以降お借入れの方に適用となります。
一般団信 | 死亡もしくは高度障害になった場合に、住宅ローンの残高が0円になる |
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がん50%保障団信 | 一般団信の保障にプラスして、がんと診断された場合ローン残高の50%が保障される |
がん100%保障団信 | 一般団信の保障にプラスして、がんと診断された場合ローン残高の100%が保障される そのほか病気やケガで入院した場合、条件次第でローン残高が保障される など |

一般団信とがん50%保障団信は、上乗せ金利なしで加入できます。
auじぶん銀行住宅ローンの基本情報
金利 |
※2023/4/17現在 |
事務手数料 | 借入金額の2.20%(税込) |
保証料 | 無料※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。 |
繰上げ返済手数料 | 一部無料あり |
審査期間 | 最短当日中※仮審査の場合 |
出典:公式サイト
出典:auじぶん銀行住宅ローン(2023年7月現在)
PayPay銀行(新規借り入れ)
- 変動金利は通常0.380%と低め!
- 新規お借り入れキャンペーンで優遇金利が適用※1
- 審査・書類提出・契約はネットで完結
PayPay銀行の強みは、ネット銀行ならではの金利の低さです。
変動金利 | 年0.380% |
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固定金利10年 | 年1.050% |
固定金利20年 | 年2.070% |
固定金利35年 | 年2.240% |
変動金利タイプで年0.380%は業界最低水準。さらに、キャンペーン期間中の契約で、通常金利よりもさらに低い優遇金利が適用されます※1。
通常時 | 0.380% |
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引下げ率 | 0.031% |
キャンペーン時の適用金利 | 0.349% |
3つの団信プランが上乗せした金利なしで加入できる
PayPay銀行の住宅ローンでは、6つの充実した団信保障プランの中から、申込者に合うものを選べます。
- 一般団信
- 一般団信プラス(がん先進付き)
- がん50%保障団信
- がん100%保障団信
- がん100%+10疾病保障団信
- ワイド団信
上乗せ金利なしで加入できる団信保障プランは、一般団信・一般団信プラス(がん先進付き)・がん50%保障団信の3つです。
PayPay銀行住宅ローンの基本情報
金利 |
※2023/1/13現在 |
事務手数料 | 借入金額×2.20%(税込) |
保証料 | 無料 |
繰上げ返済手数料 | 一部無料あり |
審査期間 | 1週間程度※仮審査の場合 |
出典:公式サイト
出典:PayPay銀行住宅ローン(2023年3月現在)
※1:【申し込みまたは契約】2022年12月1日(木)~2023年3月31日(金)【融資実行】2023年4月28日(金)まで
SBI新生銀行
- ライフプランに合わせて選べる4つの金利タイプを用意
- 上乗せ金利年0.1%で、ガン保障付団信に加入可能!
- 新規借入限定のキャンペーンで金利・事務取扱手数料優遇
SBI新生銀行では、住宅購入費用やライフプランなどに合わせて4つの金利タイプから選べます。
変動金利タイプ | 金利低めで毎月の返済額を抑えたい方向け |
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当初固定金利タイプ | 現在の金利水準を一定期間固定する |
長期固定金利タイプ | 契約時点の金利水準を完済まで継続する |
ステップダウン金利タイプ | 10年後から5年ごとに段階的に金利が下がる |
さらに事務取扱手数料が定額型を選択することで、借入金額にかかわらず手数料は一定となります。
<新規借入限定>金利・事務取扱手数料優遇キャンペーン
金利の優遇・事務手数料優遇サービスが受けられるキャンペーンを実施中です。※1
変動金利(半年型)〈変動フォーカス〉 | 当初借入金利から年0.1%引下げ |
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変動金利(半年型) | 当初借入金利から年0.05%引下げ 事務取扱手数料を55,000円割引 |
当初固定金利タイプ | 当初借入金利から年0.05%引下げ 事務取扱手数料を55,000円割引 |
なるべく金利を抑えたい方は、変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>、事務取扱手数料などの初期費用を抑えたい方は、変動金利(半年型)もしくは当初固定金利タイプを選びましょう。
新生銀行住宅ローンの基本情報
金利 |
※2023年11月現在 |
事務手数料 | 借入金額×2.20%(税込)※変動フォーカスの場合 |
保証料 | 無料 |
繰上げ返済手数料 | 一部無料あり |
審査期間 | 1週間程度 |
出典:公式サイト
出典:SBI新生銀行住宅ローン(2023年12月現在)
※ 申し込み・契約:2023年2023年12月29日まで
三菱UFJ銀行
- 変動金利タイプは年0.475%
- 出産前~出産後6ヵ月以内の申し込みで金利引き下げ!女性に嬉しい※
- ビックカメラやアート引越センターなどの特典あり
※特典の適用には条件があるため詳細は三菱UFJ銀行HPをご確認ください
三菱UFJ銀行では仮審査・本審査の申し込みから書類授受や、契約の手続きを、オンラインで完結できる「スマート手続」というサービスを提供しています。
新規借り入れ時の金利タイプは、以下の3つから選択可能です。
変動金利タイプ | 年0.475%※借り換えの場合金利は年0.345%~年0.475%。※1 |
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固定金利タイプ | 固定3年:年0.73% ~ 年0.86%※1 |
全期間固定金利タイプ | 固定21年〜25年:年1.76% ~ 年1.89%※1 固定26年〜30年:年1.84% ~ 年1.92%※1 固定31年〜35年:年1.89% ~ 年2.02%※1 |
※1:適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。
万が一に備える補償を手厚くできる
三菱UFJ銀行は、団信も充実。その代表的なものが、7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉です。
他にも、住宅ローン専用火災保険や地震保険などを用意しています。

三菱UFJ銀行の住宅ローンは、十分な保障で備えておきたいという方におすすめです。
三菱UFJ銀行住宅ローンの基本情報※2023年12月現在
金利 |
※適用金利や引下幅は、お申込内容や審査結果等により決定いたします。 |
事務手数料 | 借入金額×2.20%(税込) |
保証料 | 無料 |
繰上げ返済手数料 | 一部無料あり |
審査期間 | 最短翌日※事前審査の場合 |
出典:公式サイト
出典:三菱UFJ銀行住宅ローン(2023年12月現在)
よくある質問
全期間固定タイプは住宅ローンを借り入れした時から返済が完了するまで、金利が一度も変化しないといった特徴をもっています。
全期間固定金利タイプのメリットは「市場金利が上昇したとしても金利が固定されており、金利上昇分お得」、「金利が固定されており、返済金額が途中で変わらない」といった点です。
全期間固定金利タイプのデメリットは市場金利が下がった場合、変動金利と比べて、余計に住宅ローン支払いをしなければいけない点です。
変動金利タイプは市場金利が変動すると、それに応じて住宅ローン金利が変動するタイプの住宅ローン金利です。
変動金利タイプのメリットは「市場金利が低下すれば支払う住宅ローンの金額が少なくなる」、「市場金利が上昇すれば支払う住宅ローンの金額が多くなる」といった点です。
変動金利タイプのデメリットは市場金利が高くなると、支払う住宅ローンの金額が多くなってしまう点です。
固定金利間期間選択タイプは全期間固定金利タイプと変動金利タイプを二つ合わせたタイプとなり、特徴としては「固定した最初の期間は返済計画をたてやすい」や「固定期間が終わった後は変動金利に移行する」といった部分があります。
固定金利間期間選択タイプのメリットは「固定金利期間は金利が一定なため、返済額が変わらない」、「返済額が変わらないことから、返済計画がたてやすい」、「変動金利に移行した際に市場金利が低くなると住宅ローン返済がお得になる」といった点です。
固定金利間期間選択タイプのデメリットは固定期間が終わった後に市場金利が上昇してしまった場合、支払う住宅ローンの金額が大きくなる点です。
住宅ローン金利は2023年3月時点において、固定金利期間選択型(10年)が年3.250%、固定金利期間選択型(3年)が年3.000%、変動金利が年2.475%となっています。
また、住宅ローン金利に関わるレートや金利においては日本銀行変動金利が2.475%、フラット35最低金利が1.170%、基準割引率および基準貸付利率が0.300%、長期プライムレートが0.950%となります。
住宅ローンの金利が変化する要因には「日経平均株価の動向によって変化」や「景気によって変化」、「政策金利や長期金利によって変化」といったものがあります。
他にも、高金利で借り入れをしていた方が少なくなってきた場合や住宅ローンの借り換えがある程度終わったタイミングなど、様々な要因があります。
「申し込み時金利」や「実行時金利」、「元利均等返済」、「元金均等返済」が注意するべき点になります。
申し込み時金利や実行時金利は自分が返済する住宅ローンの返済総額に影響、元利均等返済や元金均等返済は返済するペースに影響します。
自分がどのペースで返済するか、何年間返済するかなどによって住宅ローンを決定しましょう。
まとめ
今回は、「住宅ローンの金利とは」から「住宅ローンの金利が何故変化するのか」などを紹介しました。
住宅ローンの金利には「全期間固定金利タイプ」や「固定金利間期間選択タイプ」、「変動金利タイプ」がありました。

どのタイプの住宅ローンを選択するかは自分の財政状況や返済期間によって決めましょう。
・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等を提供する企業等の意見を代表するものではありません。
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