【収益不動産:購入編⑤】融資を引くために知っておきたい金融機関の評価ポイント|物件・属性・自己資金で決まる審査のリアル
2026年4月6日:初版
はじめに:「買いたくても買えない」…その原因は“融資”にある
不動産投資を始めようとしたとき、最初に立ちはだかる壁——
それが融資の壁です。
「頭金はあるのに融資が通らない…」
「属性が低いと厳しいって聞くけど、自分はどうなの?」
「金融機関はどこを見て判断しているの?」
こうした不安を抱える方も多いはずです。
実際、金融機関によって評価基準は異なり、どんな人でも通る“万能な正解”は存在しません。
この記事では、収益不動産を購入する際に欠かせない「融資の基本」と、審査で見られる3つの主要評価ポイント(物件・属性・自己資金)を初心者向けに解説します。
不動産投資における融資の基本
なぜ融資が重要なのか?
- 自己資金のみでは投資規模が限られる
- レバレッジ(てこの原理)で資産形成を加速できる
- 法人スキームや節税にも連動する
▶ 優良な融資条件を引き出せることは、成功する不動産投資家に共通する能力のひとつです。
金融機関の種類と特徴(簡易比較)
| 種類 | 融資難易度 | 金利 | 審査の特徴 |
| 都市銀行 | 厳しめ | 0.5〜2.0% | 高属性・法人・都心RC物件向け |
| 地方銀行 | 中程度 | 1.0〜2.5% | 地域密着型/エリア評価重視 |
| 信用金庫 | 中程度 | 1.5〜3.0% | 人間関係や地元重視/属性を柔軟に評価 |
| ノンバンク | やや通りやすい | 3.0〜5.0% | 高金利/属性問わずだが条件は厳しい |
| 日本政策金融公庫 | やや易しめ | 1.0〜2.0% | 小規模物件/創業投資家向け |
金融機関が見ている“3つの評価ポイント”
① 物件評価(収益力・担保価値)
もっとも重視されるのは、「その物件で本当に収益が出るかどうか」です。
チェックされるポイント:
- NOI(純収益)
- 築年数・構造・耐用年数
- 土地の路線価や接道状況
- エリアの賃貸需要や空室率
▶ 稼げない物件、売りにくい物件には融資が下りません。
② 借主の属性(年収・職業・信用)
いわゆる「属性」と呼ばれる、申込者個人の信用力です。
見られるポイント:
- 年収(600万円以上が目安)
- 勤続年数(3年以上が望ましい)
- 雇用形態(正社員>契約社員>自営業)
- 保有資産/借入履歴(住宅ローンなど)
▶ 安定した収入と信用があれば、融資条件は有利になります。
③ 自己資金(頭金+諸費用)
最近では「フルローン」よりも「自己資金を2〜3割入れる」方が通りやすい傾向にあります。
目安:
- 物件価格の10〜20%を用意できれば有利
- 諸費用(登記・仲介手数料・ローン手数料など)で7〜10%必要
- 現金比率が高いと、金利条件も良くなることがある
ケーススタディ|自己資金と属性を活かして融資審査を突破したEさん
背景:
Eさん(30代・会社員)は、年収750万円・勤続8年。
都内で築15年の一棟アパート(価格6,200万円)を購入希望。
課題:
- 自己資金は800万円
- 融資を地方銀行で申請 → 担保評価は〇、ただし頭金2割を要求される
対策:
- 諸費用+頭金を約1,200万円と見積もり、親族から一部贈与で資金確保
- 職場からの源泉徴収票と確定申告書を丁寧に提出
- 管理会社の見積もりや収支計画を自作で提示
結果:
▶ 無事に審査通過、金利1.45%・融資期間25年で実行
▶ 年間CF約100万円を実現
よくある質問(FAQ)
Q1. 年収が低いと不動産投資は無理?
A. 一概には言えません。
自己資金が多ければ年収が多少低くても通る場合もあります。
属性よりも「物件の収益力」が評価されることも多いため、諦める必要はありません。
Q2. フルローンはやっぱり難しいですか?
A. 以前より厳しくなっていますが、属性や物件が非常に良ければ可能な場合もあります。
ただし、金利が高くなったり、繰上返済の制限がつくこともあるため慎重に検討を。
Q3. 自営業でも融資は受けられますか?
A. 受けられます。ただし、直近2〜3年の確定申告書や事業実績、納税状況が重視されます。
法人化している場合は、法人と代表者の双方で評価される点も注意しましょう。
まとめ|融資を制する者が、収益不動産を制す
収益不動産を購入するには、“買える力”=融資を引く力が必要不可欠です。
そして金融機関は、次の3つを冷静に評価しています。
- 物件が稼げるか(収益力・担保力)
- 借り手が信頼できるか(属性)
- 本気度があるか(自己資金)
これらをしっかり準備し、伝えることができれば、初心者でも十分に融資を獲得できます。
次回予告
第6話では、「物件購入時のデューデリジェンス|失敗しないための調査項目」と題して、買ってから後悔しないための現地・書類・法務チェックポイントを解説します。



