不動産売却にかかる所得税の仕組みと確定申告の方法をわかりやすく解説

「子育てが終わったから戸建てを売って、老後のためのマンションを買いたい」

「父母がなくなったから実家を処分したい」

しかし、不動産を売却する際には所得税をはじめとする税金がかかります。

所得税と聞くと高額な納税が必要なイメージもありますが、実は控除や特例を利用すると節税することも可能です。

今回は、不動産売却にかかる所得税の基礎知識から、計算方法まで解説します。また、節税対策になる控除や特例も紹介するので、不動産売却の際に参考にしてみてください。

不動産売却にかかる所得税の仕組み

不動産売却には、所得税をはじめとする各種税金が課せられます。

 正しい方法で税率を計算し納税しないと脱税の扱いになるため、きちんとした理解が必要です。

まずは、不動産売却で知っておきたい税金の種類や所得税の仕組みを解説します。

不動産売却にかかる税金の種類

不動産にかかる税金は、以下のとおりです。

不動産取得・売却に必要な税金
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 消費税
  • 印紙税
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 所得税
  • 住民税

このうち、不動産売却にかかる税金は所得税と住民税です。

譲渡所得に対して、20%あるいは39%の所得税・住民税がかかります。税率の違いは売却した不動産の所有期間で、5年以下の短期譲渡所得は39%、5年超の長期譲渡所得は20%が適用されます。

譲渡所得の種類

所得税

復興特別所得税

住民税

短期

30%

0.63%

9%

長期

15%

0.315%

5%

参照:国税庁「土地や建物を売ったとき」

ただし所有期間は、売却した年の1月1日時点で計算します。

所得税とは

所得税とは、毎年1月1日から12月31日までに得た所得に対してかかる税金です。給与所得だけでなく、不動産所得や年金などの雑所得にも課税されます。

 ただし、1年間の収入に課税されるわけではなく、収入から経費を差し引いた所得金額よりさらに所得控除を行った課税所得に対して課される税金です。

基本的には所得税が課せられますが、令和19年までは復興特別所得税もあわせて徴収・納税する必要があります。復興特別所得税は所得税額に2.1%をかけて計算したものです。

譲渡所得の考え方

不動産売却で得られる所得は、譲渡所得に分類されます。譲渡所得とは、土地建物の売却や株式の売却で発生する所得です。

 売却価格がそのまま譲渡所得になるのではなく、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いたものを指します。

取得費とは、売却した不動産を取得したときにかかった費用です。たとえば、次の費用が取得費に含まれます。

取得費の例
  • 不動産の購入費用
  • 仲介手数料
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 設備費用
  • 改良費用

しかし、取得時にかかった費用が不明なケースもあるため、その場合は売却価格の5%を取得費として計算できます。

また、譲渡費用とは不動産を売却するのにかかった費用です。以下の費用が譲渡費用に含まれます。

譲渡費用の例
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 取り壊し費用

たとえば、5,000万円で不動産を売却したとき、取得費不明・譲渡費用500万円の場合の譲渡所得は、次のように計算します。

譲渡所得=5,000万円-(5,000万円×0.05+500万円)=4,250万円

譲渡所得は4,250万円となり、この金額から控除額を差し引いた課税所得金額に所得税が課税されます。

不動産売却の所得税計算で重要な控除・特例

不動産売却をした場合、一定の条件を満たすと所得控除や特例を受けられます。控除・特例は所得税を節税できるケースもあり、所得税計算で知っておきたいポイントです。

控除・特例は、不動産売却が利益になったか損失になったかによって、適用される種類が異なります。

「利益が生じた場合
  • 3,000万円の特別控除
  • 軽減税率の特例
  • 買換えの特例
損失が生じた場合
  • 損益通算および繰越控除の特例

ここでは、それぞれの控除・特例の詳細を解説します。

3,000万円の特別控除

利用条件
  • 譲渡所得からの控除額:3,000万円
  • 所有期間:条件なし
  • 不動産の種類:居住用
  • 譲渡期限:居住しなくなった日から3年後の12月31日まで
  • 譲渡相手:配偶者・父母・子以外

3,000万円の特別控除のメリットは、売却した不動産の所有期間に条件がないことです。短期・長期の所有にかかわらず適用されます。

また、後述する軽減税率の特例とも併用可能です。

 ただし、買換えの特例とは併用できません。

軽減税率の特例

利用条件
  • 譲渡所得に対する税率:6,000万円以下の部分について14%の軽減税率を適用
  • 所有期間:売却した年の1月1日時点で10年超
  • 不動産の種類:居住用

軽減税率の特例は、所有期間が10年を超える居住用不動産の売却において、譲渡所得6,000万円以下の部分について所得税10%、住民税4%の軽減税率が適用されます。3,000万円の特別控除との併用も可能です。

 ただし、買換えの特例とは併用できず、6,000万円を超える部分については税率20%が適用されます。

買換えの特例

利用条件
  • 譲渡所得に対する税金の扱い:譲渡益にかかる税金繰り延べられる
  • 所有期間:売却した年の1月1日時点で10年超

    居住期間:10年以上

  • 旧居住用不動産の譲渡価格:1億円以下

  • 新居住用不動産の床面積:50㎡以上

買換えの特例は、新不動産の購入価格から旧不動産の売却価格を差し引いた譲渡益にかかる税金が免除される特例です。

ただし、旧不動産の売却価格のほうが新不動産の価格よりも高額だった場合、旧不動産の取得費と譲渡費用の差額分の収入があったとみなされます。

つまり、差額分には所得税が係る仕組みです。

買換えの特例を利用する場合は、3,000万円の特別控除や軽減税率の特例と併用はできません

買い換えた場合の損益通算および繰越控除の特例

不動産売却によって損失が発生したケースでは、損失分に損益通算および繰越控除の特例を適用できます。適用条件は、次のとおりです。

適用条件
  • 所有期間:売却した年の1月1日時点で5年超
  • 新居住用不動産:10年以上の住宅ローンを利用して購入
  • 新居住用不動産の床面積:50㎡以上
  • 控除を受ける人の所得金額:3,000万円以下

上記の適用条件に当てはまれば、翌年以降3年にわたり損失を所得から控除できます。

 ただし、繰越控除を適用するには確定申告が必要です。

不動産売却の所得税の計算方法

不動産売却時の所得税を計算するときは、以下の流れで行います。

所得税の計算方法
  1. 譲渡所得の金額を計算
  2. 繰越控除を行って課税標準を計算
  3. 課税標準から所得控除を差し引く
  4. 課税所得金額に税率をかけて所得税額を出す
  5. 所得税額から税額控除を差し引く

基本的には1年間の所得合計で計算しますが、ここでは説明のため、不動産売却の譲渡所得だけで計算します。

譲渡所得を計算

まずは譲渡所得を計算します。

譲渡所得とは、不動産の売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額です。取得費が不明な場合は、売却価格の5%として計算します。

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)あるいは=売却価格-売却価格×0.05

繰越控除して課税標準を計算

次に、譲渡所得から繰越控除して課税標準を計算します。

不動産売却における繰越控除とは、売却時に損失が出たことで当年に控除しきれなかった場合に適用される仕組みです。翌年から3年間にわたり、損失を控除できます。

売却で利益が出た場合は、繰越控除の必要はありません。

課税標準=譲渡所得-繰越控除額

上記の式で計算し、マイナスになった場合は翌年以降も控除できます。

課税標準から所得控除を差し引く

所得控除を受ける場合は、計算した課税標準から控除金額を差し引きます。不動産売却で受けられる所得控除は、3,000万円の特別控除です。

特別控除を適用する場合の計算式は、次のとおり。

課税譲渡所得=課税標準-3,000万円

税率をかけて所得税額を計算

最後に、売却した不動産の所有期間に応じた税率を課税譲渡所得にかけて、所得税額を計算します。

所有期間が5年以下の短期譲渡所得は39%(所得税30%住民税9%)、5年超の長期譲渡所得は20%(所得税15%住民税5%)です。

軽減税率の特例を適用する際は、6,000万円以下の部分は14%(所得税10%住民税4%)で計算します。軽減税率の特例を使う場合と、使わない場合の計算式を以下に示します。

所得税額の計算方法
  • 特例を適用しない場合(短期譲渡所得):所得税額=課税譲渡所得×0.30
  • 特例を利用しない場合(長期譲渡所得):所得税額=課税譲渡所得×0.15
  • 軽減税率の特例(6,000万円以下):所得税額=課税譲渡所得×0.10
  • 軽減税率の特例(6,000万円超):所得税額=6,000万円×0.10+残りの課税譲渡所得×0.15

不動産売却には確定申告が必要なケースもある

不動産を売却した場合は、確定申告が必要になるケースもあります。

ここでは確定申告とは何か、不動産売却で確定申告が必要なケースを解説します。

確定申告とは?

そもそも確定申告とは、前年1年において得た所得に対してかかる所得税を国税庁に申告して納税するための手続きです。

所得には、給与所得や退職所得、年金受給を含む雑所得などがあります。不動産売却は譲渡所得に含まれ、原則確定申告の対象です。ただし例外もあるため、不動産を売却したからといって必ずしも申告が必要なわけではありません。

 確定申告は1月1日から12月31日の所得に対し、翌年の2月16日から3月15日までの1カ月間に申告を行います。新型コロナウイルス感染症の流行など、納税者が期間中に申告手続きをしにくい場合はイレギュラーに延長される年もあります。

原則、期限内に確定申告が必要ですが、期限を過ぎてしまった場合でも手続きは可能です。その場合は、できるだけ早く確定申告して納税を済ませましょう。

確定申告が必要な譲渡所得とは?

会社員の給与所得の場合は、基本的に個人での確定申告は不要ですが、不動産売却では原則確定申告が必要です。

給与所得の場合は、会社が源泉徴収であらかじめ所得税を天引きしているからです。所得税額を予想し、毎月の給与から引くことで納税者本人に代わって納付しています。

しかしあくまでも予想された所得税額を徴収するため、時間外労働や休日出勤などで実際の所得税額と誤差が出ます。誤差を調整するのが年末調整です。

不動産売却による譲渡所得は、会社で源泉徴収されないため、以下の条件に当てはまる場合は確定申告する必要があります。

確定申告が必要な人
  • 給与の収入金額が2,000万円超の人
  • 給与を1カ所から受け、給与以外に20万円超の譲渡所得がある人
  • 給与を2カ所以上から受け、年末調整されなかった収入金額と譲渡所得の合計が20万円超の人

給与収入が2,000万円超の人以外は、譲渡所得が20万円を超える場合に確定申告が必要なケースがあることを覚えておきましょう。

確定申告が不要なケースは?

一方、不動産を売却しても確定申告が不要なケースもあります。確定申告が不要なケースは、主に次のとおりです。

確定申告が不要な人
  • 公的年金等の収入金額が400万円以下で譲渡所得が20万円以下の人
  • 給与を1カ所から受けており、源泉徴収される場合に譲渡所得が20万円以下の人

基本的には、不動産売却による譲渡所得が20万円以下の場合、確定申告は不要です。

 ただし、特別控除や特例を受ける場合は確定申告する必要があります。

また、売却によって損失が出た場合に繰越控除を受ける場合も、確定申告が必要です。損失が出ても繰越控除を受けないケースで、確定申告が必要な人以外申告する必要はありません。

不動産売却による譲渡所得の確定申告のやり方

ここからは、不動産売却で譲渡所得を得た場合の確定申告の方法を解説します。

確定申告に必要な書類

確定申告で譲渡所得を申告する場合は、いくつかの書類を貼付する必要があります。

不動産売却の譲渡所得を確定申告するときに必要な書類は、以下のとおりです。

確定申告に必要な書類
  • 確定申告書B様式
  • 確定申告書第三表(分離課税申告書)
  • 譲渡所得の内訳書
  • 不動産売却の売買契約書のコピー
  • 仲介手数料など譲渡費用を証明する書類のコピー
  • 登記謄本

確定申告書B様式と確定申告書第三表、譲渡所得の内訳書は、国税庁のホームページあるいは税務署で取得できます。必要な書類の種類がわからないときは、税務署に問い合わせるとよいでしょう。

 自分で用意する書類は、売買契約書と譲渡費用を証明する書類、登記謄本です。登記謄本は全部事項証明書を選択しましょう。

売買契約書と譲渡費用の証明書類は、コピーを用意します。

確定申告の時期と場所

確定申告は1月1日から12月31日までの所得について、翌年の2月16日から3月15日までに申告します。

たとえば、2021年中に不動産を売却した場合は、2022年2月16日から3月15日の1カ月間に確定申告します。

確定申告の書類取得方法・書類作成方法・提出方法は次のとおりです。

取得方法

作成方法

提出方法

税務署

書類に直接書き込む

納税地の税務署へ直接あるいは郵送で提出

国税庁のホームページからダウンロード

  • 印刷して書き込む
  • PDFに打ち込む

納税地の税務署へ直接あるいは郵送で提出

  • 確定申告書等作成コーナーで作成
  • 会計ソフトで作成
  • 納税地の税務署へ直接あるいは郵送で提出
  • e-Taxで提出

どの方法でも必要な書類は変わりませんが、自宅で書類取得・作成・提出するなら会計ソフトを使って提出すると手間がかかりません。

 ただし、e-Taxでの申請にはパソコンやスマホなどの端末のほかに、カードリーダーやマイナンバーカードが必要です。

申告の必要な所得が不動産売却の譲渡所得だけなら、税務署へ直接出向いて確定申告書等作成コーナーで書類作成するとよいでしょう。書類をダウンロードしたり郵送したりする必要がありません。

確定申告後の流れ

書類を作成して納税地の税務署へ確定申告したら、所得税を納付します。納付するのは、確定申告書を提出した税務署です。

期間は申告手続きと同じ、2月16日から3月15日まで。ただし、半額以上を納付すれば5月31日まで延納できます。

所得税の納付方法は、次のとおりです。

所得税の納付方法
  • 税務署で現金支払いする
  • 口座振替
  • e-Tax
  • クレジットカード

金額が大きくなければ、税務署の窓口で直接現金納付もできます。

上記の流れは、所得税が発生する場合です。還付を受ける場合は、納付の必要はありません。

還付とは、源泉徴収で支払い過ぎていた所得税を払い戻してもらえる税金です。給与所得で還付金がある場合は、譲渡所得と合算して所得税が還付されるケースもあります。

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【シミュレーション】12年所有した不動産を売却するケース

ここでは、12年間所有した不動産を売却するケースでシミュレーションし、実際の所得税額を計算してみましょう。

今回シミュレーションする条件は、次のとおりです。

  • 不動産の種類:居住用
  • 所有期間:12年
  • 譲渡相手:不動産会社
  • 売却価格:8,000万円
  • 取得費:不明
  • 譲渡費用:300万円

※繰越控除や買換えではない場合

取得費が不明のため、売却価格の5%として計算します。

取得費=8,000万円×0.05=400万円

取得費が出たので、譲渡所得も計算できます。

譲渡所得=8,000万円-(400万円+300万円)=7,300万円

3,000万円の特別控除が適用できるため、7,300万円-3,000万円=4,000万円が課税所得として税金がかかります。

所有期間は12年のため、長期譲渡所得として扱います。軽減税率の特例も併用できるため、所得税+復興特別所得税の税率は10.21%です。

所得税(復興特別所得税を含む)4,000万円×0.1021=4,084,000円

よって、復興特別所得税を含む所得税は4,084,000円です。

実際には住民税もかかるため、4,000万円×14.21%=5,684,000円が税金として引かれ、34,316,000円が手元に残る計算です。※

※上記以外に費用がかからない場合

計算した所得税は確定申告のうえ、納税する必要があります。確定申告は納税地の税務署か、e-Taxで手続きできます。

よくある質問

不動産売却にかかる所得税の計算式は?
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
課税標準=譲渡所得-繰越控除額
短期譲渡所得:所得税額=課税譲渡所得×0.30
長期譲渡所得:所得税額=課税譲渡所得×0.15
特別控除や特例を受ける場合は、課税標準や税率が変わります。
譲渡費用には何が含まれる?
譲渡費用とは、不動産売却にかかった費用です。たとえば、次の費用が含まれます。

    • 仲介手数料
    • 設備費用
    • 改良費用
不動産売却で利用できる控除・特例の種類は?
不動産売却時には、次の特別控除や特例を利用できます。
3,000万円の特別控除
軽減税率の特例
買換えの特例
3,000万円の特別控除と軽減税率の特例は併用可能です。買換えの特例はほかの特例と併用できません。
不動産売却で確定申告は必要?
不動産売却で利益が生じた場合は、原則確定申告が必要です。
ただし、利益が20万円以下で給与所得にて源泉徴収を受けている場合は確定申告が不要なケースもあります。
また、損失が生じた場合に繰越控除を受ける場合も確定申告が必要です。繰越控除を受けると、翌年以降3年間は損失を繰越せ、節税できる可能性があります。
確定申告はいつまでにするの?
確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までです。ただし、期間が延長される場合もあります。
期間を過ぎた場合も確定申告は可能で、期間内に確定申告できなかった場合は速やかに手続きを行いましょう。
不動産売却の確定申告に必要な書類は?
不動産売却したときに必要な確定申告用書類は、税務署で取得できます。必要な書類は次のとおりです。

  • 確定申告書B様式
  • 確定申告書第三表(分離課税申告書)
  • 譲渡所得の内訳書

上記以外に、以下の書類を自分で用意する必要があります。

  • 不動産売却の売買契約書のコピー
  • 仲介手数料など譲渡費用を証明する書類のコピー
  • 登記謄本(全部事項証明書)

登記謄本は、登記情報提供サービスのホームページより、オンラインで請求できます。交付はオンラインではできず、窓口・郵送から選択します。

6年所有した不動産を2,000万円売却し、仲介手数料に100万円かかった場合の所得税は?
6年間所有した不動産の売却は長期譲渡所得となり、15%の所得税がかかります。ただし令和19年までは復興特別所得税として所得税額の0.315%を所得税とあわせて申告・納付が必要です。
上記の例では、取得税が不明のため売却価格の5%として計算します。
譲渡所得=2,000万円-(2000万円×0.05+100万円)=1,800万円
所得税=1,800万円×0.15=270万円
復興特別所得税=270万円×0.00315=8,505円
よって、所得税と復興特別所得税の合計は2,708,505円です。

まとめ

不動産売却にかかる所得税は、次のとおりです。

所得税

復興特別所得税

短期譲渡所得(所有期間5年以下)

30%

0.63%

長期譲渡所得(所有期間5年超)

15%

0.315%

令和19年までは所得税のほかに、復興特別所得税もかかります。

また、不動産売却のときに利用できる控除・特例は以下のとおりです。

控除・特例の種類

特徴

併用

3,000万円の特別所得税

譲渡所得から3,000万円控除できる

軽減税率の特例

所得税+復興特別所得税が10.21%になる

買換えの特例

譲渡益にかかる税金が免除される

不可

所得税の目安を知りたいなら、まずは売却予定の不動産を査定しましょう。

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