
初めて家を売る人は「家を売る手順がわからない」や「費用や税金はどれくらいかかるの」など、さまざまな悩みを抱えています。人生で何度も経験することではないので、誰もが不安に感じるものです。
そこで今回は、家を売るために必須の知識を徹底解説。手順や費用・税金についてはもちろん、住宅ローン中の人や古い家を売るためのポイントなども紹介しています。

Contents
家を売るまでの流れ
はじめに、家を売るための準備から売却手続きの流れを大まかに説明します。
- 不動産一括査定サイトを利用して査定依頼する
- 売却に必要な書類を準備する
- 売却方法を選択する
- 売却の手続き
- 代金と物件の引き渡し
家を売却することに決めたら、まずは不動産一括査定サイトを通して不動産会社に査定を依頼しましょう。売却を任せられる会社を見つけたら、必要書類を用意します。
「不動産一括査定サイト」とは「イエウール」や「SUUMO売却査定」のことで、一度の申し込みで複数の会社へ査定依頼できるオンラインサービスのことです。
売却方法を仲介または買取から選択し、売買の手続きを進めます。無事に売買契約を締結したら、売買代金の受け取りと物件の引き渡しです。

家を売る方法は「仲介」と「買取」の2種類
まずは、家を売る基本的な方法についてみていきましょう。多くの人が不動産会社に相談して家の売却を行いますが、実は2種類の方法があります。
家を売る方法 | 特徴 |
---|---|
仲介 | 不動産会社がさまざまな売却活動を行い、買主を見つけてもらう |
買取 | 不動産会社に家を買い取ってもらう |
一般的なイメージである、不動産会社が内見対応から広告活動を行うのは「仲介」のことです。
また、どちらも不動産会社に依頼するものですが、買主が「個人」か「業者」といった明確な違いがあります。

【家を売る方法①】仲介のメリット・デメリット
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
仲介を利用した場合の最大のメリットは、売却額が高くなることです。
相場価格や家の条件などをもとにして、売主が自由に売り出し価格を設定できるので相場通りの金額、または相場以上で売却できるケースも少なくありません。
仲介取引によって不動産売却完了までにかかる日数は、およそ3ヶ月〜1年程度とされています。最低でも1ヶ月程度はかかるとみていいでしょう。
出典:公益社団法人東日本不動産流通機構
人気エリアの物件や築浅の物件は早期売却できる可能性が高いです。また、仲介を選択すべき人の特徴は以下の通りです。
- 家を売るタイミングにこだわりがない人
- 時間をかけてでも高く売りたい人
- 人気エリアにある、または築浅の物件を売りたい人
以上のことから「とにかく高く売りたい」と思う人は仲介を選択するべきでしょう。
【家を売る方法②】買取のメリット・デメリット
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
買取を利用した場合の最大のメリットは、すぐに現金化できることです。
不動産会社と条件の交渉が終われば、あとは登記手続きなどを済ませるだけです。最短で3日~1週間程度で現金化できるので即金が必要な人にとっては持ってこいの方法でしょう。
よっぽどの理由がない限り、大切な資産である家を安く売ってしまうのはもったいないでしょう。では、買取を選択すべき人の特徴をご覧ください。
- すぐに現金が必要な理由がある人
- 築古や人気エリア外などの仲介では売れなさそうな条件の家を売りたい人
- 売却予定の物件が遠方にあり、売却活動に携わるのが困難な人
また、買取には「買取保証」といった選択肢もあります。「特定の期間までに買主が見つからなった場合、不動産会社に買い取ってもらえる」といった仲介と買取を組み合わせたような仕組みです。
一般的に、3か月間の売却活動期間に買主が見つからなければ買い取ってもらえます。

仲介で家を売る手順
仲介で家を売る場合、以下の全4STEPで完結します。おおよその期間は半年~1年程度です。
- 不動産一括査定サイトで複数の会社へ査定依頼
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動開始
- 売買契約を結ぶ・引き渡し
仲介で家を売るSTEP①不動産一括査定サイトで複数の会社へ査定依頼
まずは、不動産会社に家の査定依頼をしましょう。査定額は不動産会社によって異なるため、複数の業者に査定してもらうのがおすすめです。
また、複数の査定結果を比較しておおよその家の相場を把握します。具体的に査定依頼するための方法は以下の通りです。
- 1社1社気になる不動産会社に査定依頼する
- 不動産一括査定サイトを利用する
1社1社気になる業者や近所の不動産会社に問い合わせるのもいいですが、手間がかかるので日々忙しいサラリーマンのような人にはおすすめしません。
一方、不動産一括査定サイトならスマホやPCを利用して、Web上で簡単に査定依頼ができます。
不動産一括査定サイトのメリット |
|
---|---|
不動産一括査定サイトのデメリット |
|
以上のことから、不動産一括査定サイトを利用すべき人の特徴は以下のとおりです。
- 特に気になる不動産会社がない
- おおよその相場額を知りたい
- 時間や手間をかけずに家の売却を成功させたい
仲介で家を売るSTEP②媒介契約を結ぶ
複数の不動産会社に査定をしてもらったら、実際に仲介活動を任せる不動産会社を選びます。どの不動産会社に任せればいいかわからない人は、以下の項目に該当するか確認してみてください。
- 所有している家の売却に特化している不動産会社なのか
→マンションやアパートなど、家の種類によって最適な不動産会社は異なるため - 具体的な販売戦略を説明してくれるのか
→チラシの作成や不動産情報サイトへの掲載など - 査定額に対する明確な理由を説明してくれるのか
→悪徳な業者であれば説明できない可能性が高いため
仲介活動を依頼する不動産会社が決まったら媒介契約を結びます。
媒介契約には3種類の契約内容があり、それぞれ特徴が異なります。
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
---|---|---|---|
複数社の不動産会社と契約できるか | 〇 | × | × |
売主自ら買主を見つけて取引できるか | 〇 | 〇 | × |
「レインズ※」への登録義務 | 売主の希望次第 | 媒介契約締結から7営業日以内 | 媒介契約締結から5営業日以内 |
販売活動の報告義務 | 売主の希望次第 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
契約期間の定め | 特に無し | 3か月以内 | 3か月以内 |
※「レインズ(REINS)」とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。
大きな違いとしては「複数社と契約できるか」や「レインズへの登録義務」「販売活動の報告義務」でしょう。 一般的に「専属媒介」か「専属専任媒介」で家の売却を進める人がほとんどです。
また、「一般媒介」はなるべく早く家を売りたい人におすすめです。複数社が仲介活動を行うので、比較的早い段階で購入希望者が見つかるでしょう。
ただし、ほかの業者が買主を見つけた場合、仲介手数料はその業者の一人勝ちとなってしまいます。

仲介で家を売るSTEP④売却活動開始
媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動開始です。売主がやることはほとんどなく、基本的に買主が見つかるまで不動産会社とやり取りを行うだけです。
ですが、不動産会社によっては内見対応を売主に委ねるケースもあるのでご注意ください。また、内見の予約が入ったら以下の準備を進めましょう。
- 家のアピールポイントをまとめる(駅からの距離や周辺環境、最新設備の有無など)
- 家の清掃(キッチンやお風呂などの水回りを重点的に行う)
- なるべく家具を処分し、家を広く見せる
- 庭やバルコニーなどがあれば清掃する
内見は購入希望者の購買意欲を高めるチャンスです。

仲介で家を売るSTEP④売買契約を結ぶ・引き渡し
購入希望者と条件などの折り合いがついたら売買契約を結びましょう。
売買契約の取り交わしは売主と買主、不動産会社の3者で行われ、契約日当日に売却額の50%を受け取ります。

また、残りの50%の金額は引き渡し日に受け取ります。引き渡し日についても契約日に取り決めるケースが一般的です。
買取で家を売る手順
買取で家を売る場合、以下の全5STEPで完結します。おおよその期間は1週間~1か月程度です。
- 家の相場を調べる
- 査定依頼をする
- 不動産会社の選定
- 条件の交渉
- 引き渡し・入金処理
買取で家を売るSTEP①家の相場を調べる
まずは、家の相場を調べてみましょう。不動産会社によって買取金額に差があるので、おおよその相場がわからなければ安く売ってしまう可能性があります。
家の相場を調べるための方法は以下の通りです。
- 不動産一括査定サイトを利用して複数社の査定結果を比較する
- 不動産ポータルサイトを利用して類似物件の取引実績から判断する
買取に関しても不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。

買取で家を売るSTEP②訪問査定依頼をする
おおよその相場がわかったら不動産会社に訪問査定を依頼します。
一括査定サイトを利用した場合は、査定結果から気になる2~3社の不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。別の方法を選択した人は、自分で買取業者を探す必要があります。
また、訪問査定の結果からおおよその買取金額を設定します。

買取で家を売るSTEP③不動産会社の選定
2~3社の不動産会社から訪問査定の結果を受けたら、実際に売却する業者を選定します。業者選びのポイントは以下の通りです。
- 買取金額が自分で設定した売却予定の金額と大差ないか
- 買取業者として悪い口コミが見当たらないか
一番重要なのは、STEP②で設定した買取の目安金額と近い金額の不動産会社を選定することです。設定した金額より低く見積もられている場合は、安く買い取られてしまうことになります。
また、高すぎる査定結果を提示してくる不動産会社には注意しましょう。必ずしも切り捨てる必要はありませんが、インターネットやSNSを活用して口コミを調べておくべきでしょう。

買取で家を売るSTEP④条件の交渉・契約締結
買取を依頼する不動産会社が決まったら、細かい条件の交渉を行います。具体的な内容は以下の通りです。
- 必要書類の確認
- 引き渡し日の決定
- 家具などの処分費用
- 買取代金の支払い時期
上記のような内容を取り決めます。しっかりと交渉しておかないと後々トラブルになる可能性があるので要注意です。取り決めた内容を文書化しておけば、あとでトラブルにならずに済むでしょう。
また、条件についての交渉が終わったら契約締結です。

買取で家を売るSTEP⑤引き渡し・入金処理
STEP4で取り決めた日程に家の引き渡しを行います。司法書士立会いのもと銀行などの金融機関で行われるケースが一般的です。また、引き渡し日に行う内容は以下の通りです。
- 手付金を差し引いた買取金額の受け取り
- 物件に関わる書類の確認
- 鍵の引き渡し
以上が買取の全体の流れです。仲介と同じく利益を得た場合必ず確定申告を行いましょう。
家を売る際の売るためのコツは?
家を売るタイミングで迷っている人は、以下の2つの視点から判断してみるのもいいでしょう。
- 家を高く売るなら「仲介」
- 不動産会社は不動産一括査定サイトで比較
- 所有期間から判断する
- 不動産の需要が高まるシーズンを狙う
家を高く売るなら「仲介」
家を高く売却したい方は、不動産会社の買取取引よりも「仲介取引」で取引しましょう。仲介での取引により、市場価格で売却できます。

一般的には、「買取」での売却は「仲介」で売却する市場価格の70%〜90%程度に落ちてしまいます。
不動産会社へ「仲介」を依頼する場合には、必ず複数の不動産会社から査定依頼してもらい、結果を比較・検討しながら選ぶことがポイントです。
当サイトから不動産売却を行なっている方も、複数の不動産会社から査定報告をもらい、比較・検討を行なって売却活動を行なっています。
「イエウール」や「SUUMO売却査定」などの不動産一括査定サイトを利用すると、効率的に不動産会社を比較できるのでおすすめです。
家を売る際の不動産会社は不動産一括査定サイトを使って比較
家を高く売却するためには、不動産会社選びは重要です。不動産会社による査定金額は会社ごとに異なり、査定依頼するだけで金額が大きく変わることもあります。
当サイトで行ったアンケート結果では、複数の不動産会社から査定依頼をもらった方で、査定金額に数十万円〜数百万円の差が生じている方は多かったです。
出典:不動産スタディ Q9 複数社で査定した人は、査定額にいくらの差がありましたか?
査定額にいくら差があったか | 割合 |
---|---|
50万円未満 | 20.2% |
50~100万円未満 | 27.5% |
100~300万円未満 | 34.9% |
300~500万円未満 | 14.7% |
500万円以上 | 2.8% |
以上のアンケート結果からも分かるとおり、数十万円〜数百万円の差が発生している方は多く、複数の不動産会社から査定結果をもらうことが重要なことがわかります。
査定結果から平均値を出すことで、市場相場を調査できたり、どこの不動産会社なら高く売却できるのかも比較できます。

築年数における家の売り時のタイミング
家を少しでも高く売るためには、築年数が浅い段階で売却する必要があります。
また、築30年を超えると資産価値がほとんどなくなってしまいます。
出典:国土交通省交通省公式HP
上記のグラフは国土交通省が公表している「マンションと戸建住宅の資産価値」を示したグラフで、戸建住宅は10年で半減・35年で資産価値0となることを示しています。

【家を売るチャンス】不動産需要が高まるタイミングは新生活!
一般的に不動産の需要が高まるシーズンは2~3月です。新学期、転勤などを理由に住み替えの需要が高まるので、家の売買がもっとも多く行われています。
参考:2020年不動産業統計集
要するに、2~3月の間に家を売りだせれば高い値段で売却できる可能性が高まり、早期売却が見込めます。
出典:不動産流通機構 Market Watch(2021年12月度)
不動産流通機構が公表している首都圏の成約件数データによると、上記のグラフのように3月が最も成約件数が大きくなっているのがわかります。

家を売る時にかかる期間について
家の売却には、「買取」であれば最短3日〜1ヶ月程度、「仲介」であれば3ヶ月〜1年程度売却完了までかかるとされています。
期間 | |
---|---|
買取 |
最短3日〜1ヶ月程度 |
仲介 | 3ヶ月〜1年程度 |
不動産流通機構が公表している成約日数についてのデータからも、不動産売却に関わる成約までの期間は90日〜120日程度かかるされています。
家を高く売りたいという方であれば、売却期間に1年程度の余裕を持って売却活動をスタートさせることで、不動産売却を成功させることが可能になるでしょう。
ちなみに、当サイトで行ったアンケート結果では、不動産売却にかかった期間は3ヶ月以内の方は「39.2%」、6ヶ月以内の方は「36.4%」という結果でした。
出典:不動産スタディ Q6 不動産売却にどれくらいの期間がかかりましたか?
不動産売却にかかった期間 | 割合 |
---|---|
3ヶ月以内 | 39.2% |
6ヶ月以内 | 36.4% |
1年以内 | 16.1% |
2年以内 | 5.6% |
2年より長い | 2.8% |
家を売るときに必要な書類
家を売るときには、必要な書類がたくさんあります。
もしもなくした書類があれば、再発行しなくてはいけません。家をスムーズに売却するためには、計画的な書類の準備が不可欠です。
書類一覧 | 内容 |
---|---|
本人確認書類 |
|
固定資産税納税通知書 |
|
住宅ローン残高証明書 |
|
購入時の売買契約書 重要説明事項 |
|
土地の測量図・境界確定図 |
|
マンションの管理規約 |
|
登記識別情報 |
|
印鑑証明書 |
|
本人確認資料として、運転免許証や保険証などを用意します。
固定資産税納税通知書は、毎年春ごろに物件所在地の市区町村から送付される書類です。固定資産税納税通知書が手元になければ、役所に行って再発行してもらいましょう。

住宅ローンを組んでいる場合は、ローン残高証明証などローンの残高がわかる書類も必要です。
物件購入時の売買契約書や重要事項説明書、戸建てなら土地の測量図など持っている書類はすべて査定の際に提出します。マンションなら、管理規約も必須です。
売買契約の際には、登記識別情報と印鑑証明書も用意します。
不動産の所有者を証明する登記識別情報は、以前は「登記済権利証」として発行されていました。登記済権利証も登記識別情報と同じ役割です。
家を売るときにかかる税金・費用一覧
家の売却では売却金額そのまま自分の財布の中に入ることはありません。不動産会社へ支払う「仲介手数料」や税金などの費用を差し引いた金額が利益となります。
家を売るときにかかる代表的な税金・費用は以下の表をご参照ください。
費用・手数料 | 金額 |
---|---|
仲介手数料 |
【200万円以下の場合】5%以内の金額 【200万円越え、400万円以下の場合】 【400万円を超える場合】 |
抵当権抹消登記費用 (住宅ローン残債の解消) |
不動産1件につき1000円 |
繰上げ返済手数料 (ローン残債がある場合) |
各種金融機関による |
司法書士への報酬 (所有権・抵当権の移転) |
1〜10万円程度 |
印紙代 (売買契約時) |
【1000万円越5000万円以下の場合】 1万円(本則税率:2万円) ※H26.4~R4.3までの間の軽減措置 出典:国税庁 |
譲渡所得税 |
譲渡所得×税率(20~39%) |
ハウスクリーニング費用 |
|

家を売る時の仲介手数料を下げるコツ
不動産会社へ「仲介」を依頼すると、法律で定められた仲介手数料の上限金額を請求されるでしょう。
仲介手数料を値引きするコツは、「仲介の契約方法」や「交渉のタイミング」、「キャンペーンの利用」を検討しましょう。
内容 | |
---|---|
仲介の契約方法 |
|
交渉のタイミング |
|
キャンペーン |
|
値引き交渉の材料として、「専任媒介」か「専属専任」で契約することを引き合いに出すと不動産会社としても仲介手数料が手に入ることが確実になるので、応じてくれる可能性が上がります。
「専任媒介」と「専属専任」ではなく、「一般媒介」の契約だと他の不動産会社とも媒介契約が結べるため、仲介手数料が手に入るかはわからないのです。
家を売るときの節税対策のコツ
家の売却で利益が発生した場合には、譲渡所得税を納めなければなりません。譲渡所得税は土地を売って得た利益から費用を引いた「譲渡所得」に課税されますが、金額は大きくなりやすいです。
譲渡所得税に関わる税率は所有期間によって変わりますが、5年以内と5年超で税率が約2倍も変わるの、5年付近の不動産を売却する際にはタイミングに注意しましょう。
所有期間が5年以内の場合 | 所有期間が5年超えの場合 |
---|---|
39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%) | 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%) |
出典:国税庁「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
※所有期間は不動産を売った年の1月1日時点を基準とする。所有期間が5年以内の場合を「短期譲渡」、5年超えの場合を「長期譲渡」といいます。
また、譲渡所得税には「3,000万円の特別控除」や「所有期間が10年超えに利用できる軽減税率の特例」の節税対策もあるため、節税対策を利用することで上手に利益を残せます。
どちらの節税対策もマイホームを売ったときの特例となります。活用する際には必ず条件等を国税庁HPにて確認しましょう。

タイプ別の家の売却・売る方法
売ろうと考えている家の種類も、人それぞれですよね。実は家のタイプ別におさえるべきポイントも異なってきます。
住宅ローン支払い中の家を売る
実は、住宅ローン支払い中の家でも問題なく売却可能です。ただし、売却して得た利益からローンの残債を返済しなければなりません。
家を売るためにはさまざまな費用がかかるので、おおよその売却額からローン残債と諸費用などを差し引いた金額を算出する必要があります。

ローンの一括返済手数料は、金融機関によってとこなります。相場は数千円〜数万円です。
窓口での手続きとウェブでの手続きで料金が変わるケースもあるので、事前にチェックしましょう。
繰り上げ返済手数料 | |
---|---|
三井住友銀行 |
出典:三井住友銀行 |
りそな銀行 |
出典:りそな銀行 |
三菱UFJ銀行 |
出典:三菱UFJ銀行 |
イオン銀行 |
出典:イオン銀行 |
古い家を売る
古い家は新築に比べて売れにくい傾向があります。特に築年数が30年以上経過している物件は、以下の対策を検討しましょう。
- 建物を解体して土地のみで売る
- 家をリフォームする
- 耐震診断を受ける
- 不動産会社に買い取ってもらう
築年数が経過した家なら、建物を解体して土地として売却するのもいいでしょう。土地の面積や形状、場所にもよりますが、建物付きで売却するより高くなるかもしれません。

家の状態が悪くないなら、リフォームしたり耐震診断を受けることで、購入希望者からの印象がよくなります。
一番費用をかけずに売却する方法は、不動産会社に買い取ってもらう方法です。ただし、買い取った後に不動産会社がリフォームをするので、買取金額はかなり低くなってしまいます。

新しい家を売る
きれいで設備が新しい家は買い手がつきやすいでしょう。しかし、売却するタイミングによっては税金が高くなるため、売り出し時期については十分な検討が必要です。
不動産を売却して利益が出ると、譲渡所得税(所得税・住民税)が発生します。課税対象となるのは、売却価格から不動産の購入にかかった費用や売却費用を差し引いた実際の利益です。
短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 | |
---|---|---|
所得税率 | 30.63% | 15.315% |
住民税率 | 9% | 5% |
合計 | 39.63% | 20.315% |
不動産の所有期間が5年を超えていれば短期譲渡所得、5年を超えていれば長期譲渡所得です。所有期間は、売却した年の1月1日時点で計算します。

短期譲渡所得は長期譲渡所得の倍近い税率です。もしも不動産の所有期間4年で売却を検討しているならば、5年経過するまで待った方がいいでしょう。
家を売りたい方におすすめの不動産一括査定サイト
SUUMO売却査定
- 当サイト独自アンケートで人気No.1!
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- 提携社数2000社以上!10社同時比較可能!
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SUUMOはタウンワークやゼクシィ、リクナビなどで有名なリクルートグループが運営しているサービスです。
SUUMOでは、全国のエリアごとに売却事例などの情報を掲載しており、さらに不動産会社の店舗の特徴や実績、スタッフ情報も確認できます。
そのため、査定額が妥当か判断しやすく、査定額を提示した不動産会社が信頼できる会社か見極めやすいのです。
同時査定依頼可能数も6社のサイトが多いなか、SUUMOでは10社の査定額から検討することができます。
そして、SUUMOを利用して不動産契約をすると、知名度が高いSUUMOに物件の広告を掲載でき、早期の売却が期待できます。

対象エリア | 全国 |
---|---|
提携会社数 | 2000社以上 |
同時査定依頼数 | 10 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
すまいValue(バリュー)
- 他社にはない業界最大手6社で査定ができる
- 年間取引数は6社合計11万件以上の実績
- 顧客満足度96.7%
- 大手ならではの交渉力・スピード感|売却まで平均2.7ヶ月
- 完全無料!全国対応!
すまいValueは、業界トップ企業6社の直営による不動産一括査定サイトです。そのため提携している不動産会社も、最大一括査定数も下記の6社に限定されています。
- 小田急不動産
- 住友不動産販売
- 東急リバブル
- 野村の仲介PLUS
- 三井のリハウス
- 三菱地所ハウスネット
他の一括査定サイトと比べると、かなり少ないと感じるかもしれませんが、上記の6社は不動産業界を牽引する最大手です。
6社の知名度は高く、11万件を超える年間の実績があります。安心して売却を任せられ、確かな営業力でスピーディーに売却が進むと考えられます。
デメリットとして、査定が全て大手企業であることからも、売出中物件は都市部に集中しているようです。地方の方はSUUMOやイエウールなど他の一括査定サイトもあわせて利用することをおすすめします。

対象エリア | 全国 |
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提携会社数 | 6 |
同時査定依頼数 | 6 |
運営会社 | 小田急不動産 住友不動産販売 野村の仲介 三菱地所ハウスネット 東急リバブル 三井のリハウス |
イエウール
- 全国の不動産会社1,900社以上と提携|特に地方の不動産に強い
- 「月間ユーザー数」「提携社数」「エリアカバー率」すべてNo.1
- 累計利用者数1,000万人以上
- 一括査定フォームの入力はチャット方式で簡単
- 完全無料!全国対応!
イエウールは、業界最大級の不動産一括査定サイトです。11万件を超える年間の実績しています。
対応エリアの幅が広いことが強みで、都市部はもちろん、地方に強い不動産会社も登録しています。
デメリットとしては、大手不動産会社の登録が少ないことです。気になる方は大手に特化しているすまいvalueとあわせて利用するのがおすすめです。

対象エリア | 全国 |
---|---|
提携会社数 | 1900社以上 |
同時査定依頼数 | 6 |
運営会社 | 株式会社Speee |
出典:イエウール公式サイト
住友不動産販売
- 問い合わせから売却までマンツーマンの営業体制
- 顧客満足度94.1%!
- 年間購入相談件数18万件以上
- 売却中の室内をより魅力的にするバーチャルステージング
- 完全無料!全国対応!
住友不動産販売の特徴は、営業担当者がマンツーマンでついてくれることです。
お問い合わせ時から売却後のアフターフォローまで、一貫して担当者がついてくれるため、責任のある取引をしてくれるでしょう。そうした丁寧なサービスから、顧客満足度は94.1%となっています。
また、独自サービスのバーチャルステージングは、360°カメラで撮影したマンション室内の写真を加工するサービスです。余計なものを消して、素敵な家具を配置することで、買い手が購入後の暮らしをイメージできます。

対象エリア | 全国 |
---|---|
提携会社数 | - |
同時査定依頼数 | - |
運営会社 | 住友不動産販売株式会社 |
出典:住友不動産販売公式サイト

まとめ
ここまで、家を売る手順や費用・税金などについて解説してきました。家を売りたい方はまず不動産一括査定サイトを利用しましょう。
事前に大まかな流れを知っていれば売却活動がスムーズに行えますし、費用・税金についても最終的に手元に残るある程度の金額を計算するのに役立ちます。

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