不動産:仲介

【不動産仲介の基本⑨】レインズと不動産会社の使い方─ 売主・買主ができる“賢い情報活用術”

takuya.fujikawa

2025年12月22日:初版

「不動産会社に任せっぱなし」でいい時代は終わった?

不動産の売却や購入を考えるとき、多くの人がこう思います。

「難しいことは不動産会社に任せよう…」
「プロがやってくれるんだから、任せておけば安心」

もちろん、不動産会社は取引のプロです。
しかし、“任せっきり”では損をする時代にもなっています。

  • 情報が偏っていた
  • 売却戦略が自分の意向と合っていなかった
  • 気づいたときには他社のチャンスを逃していた

そんな後悔を避けるには、売主・買主が主体的に“情報を使いこなす”ことがカギになるのです。
今回は、業者専用ネットワーク「レインズ」の正しい理解と、不動産会社との上手な付き合い方を解説します。

STEP1:レインズを“活かせている”売主・買主は少ない?

前回(第⑤回)でもご紹介したように、
レインズ(REINS)は、国土交通省の指定を受けた不動産流通のための業者間ネットワークです。

売却物件をレインズに登録することで、多くの業者が情報を共有できる=より早く・広く買主を探せるのが大きな利点。

でも…

  • 本当に登録されたか、確認していない
  • どのような情報が載っているか、知らない
  • 他社が買主を紹介しているかを把握していない

…という方も少なくありません。

「レインズ=不動産会社のためのツール」と思い込まず、売主・買主も“確認・活用”できる情報資源だと考えましょう。

STEP2:売主ができる“レインズ活用”チェックリスト

✅ 専任または専属専任契約を結んだら、以下を確認しよう

  • 登録されたことの証明書を見せてもらったか?
  • 掲載内容(価格・面積・所在地)に誤りはないか?
  • 他社からの内見依頼があったかを定期的に確認したか?
  • 価格や売却方針について、定期的に担当者とすり合わせをしているか?

「きちんと売却戦略が動いているか」を、“自分で確認する視点”がとても重要です。

STEP3:買主ができる“レインズを意識した物件探し”

買主側はレインズを見ることはできませんが、“活用されているかどうか”を不動産会社に聞くことは可能です。

✅ 買主が押さえておきたいポイント

  • 担当者が“自社物件以外”も積極的に紹介してくれるか?
  • 希望条件に合う物件をレインズ経由で探してくれているか?
  • 「レインズに載っている類似物件も比較したい」と伝えたことがあるか?

1社だけの紹介で満足せず、他社物件も検討に入れる姿勢が、より良い出会いにつながります。

STEP4:不動産会社を“上手に使う”とはどういうことか?

「全部任せる」ではなく「一緒に進める」スタンス

良い不動産会社・営業担当者ほど、以下のような姿勢を大切にします。

  • 売主・買主の疑問に丁寧に答えてくれる
  • 意思決定を急かさず、選択肢を提示してくれる
  • 不利な情報も包み隠さず教えてくれる
  • 「この物件を買いましょう」「この価格で売りましょう」と押しつけない

つまり、「任せる」よりも「共に判断する」ことが、納得感のある取引への近道なのです。

STEP5:信頼できる担当者に「主体的に質問する」ことがカギ

質問例(売主向け)

  • レインズの反響状況はどうですか?
  • 他社からの内見依頼はどのくらいありましたか?
  • 他社に買主がいても受け入れてもらえますか?

質問例(買主向け)

  • 他社が扱っている物件も紹介してもらえますか?
  • 希望条件をレインズで探してもらえますか?
  • 売主との交渉で工夫できる点はありますか?

的確な質問”ができるほど、信頼関係が深まり、質の高い提案が受けられるようになります。

事例紹介:「任せきり→共に判断」で納得の売却ができたIさんの体験

Iさんは専任媒介で売却を依頼していましたが、3ヶ月経っても成果が出ず、不安に。
「情報はレインズに載ってますか?」「他社からの反響は?」と質問したことで、
販売戦略の見直しが行われ、1ヶ月後には新たな買主が現れて無事に成約。

「何も言わなければ、きっとそのまま売れ残っていた」と振り返ります。

FAQ:レインズと不動産会社の付き合い方に関する質問

Q. 担当者に質問したら嫌がられそう…

A. いいえ。良い担当者ほど“主体的なお客様”を歓迎します。
信頼関係は「疑う」のではなく「理解し合う」ことで深まります。

Q. レインズに載っている物件を、他社でも買えるの?

A. はい、可能です。どの不動産会社でも紹介・仲介できるのがレインズの特徴です。
「この物件は他社のものなので…」と渋るようなら要注意。

Q. 売却期間中、担当者を変えたいと思ったら?

A. 契約期間中でも解約・担当者変更は可能です。
遠慮せず、まずは改善の相談をしてみましょう。

まとめ:レインズと不動産会社を「使いこなす」ことが、納得の取引を生む

不動産取引において、情報と判断は「任せきり」ではなく、“自分も関わる”ことが最も重要です。

  • レインズを理解し
  • 不動産会社に確認し
  • 担当者と情報を共有し
  • そして“納得の上で”進める

このスタンスが、後悔のない売却・購入を実現する最大のカギです。

次回予告:不動産仲介の基本⑩(最終回)|不動産仲介の未来──テクノロジー活用と“人の力”の共存

次回はいよいよ最終回。
不動産業界の今とこれから──テクノロジーの進化と、だからこそ求められる“人の存在価値”を考察します。

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