不動産:仲介

【不動産仲介の基本⑥】媒介契約の種類と違いとは?─ 専属専任・専任・一般、それぞれの特徴と選び方

takuya.fujikawa

2025年12月11日:初版

「媒介契約って何?」─まずここを理解しないと、売却は始まらない

不動産の売却を検討し、仲介会社に相談したとき、
まず交わすのが「媒介契約(ばいかいけいやく)」です。

ところが…

  • 媒介契約って、なんのために結ぶの?
  • 契約の種類が3つもあるけど、何が違うの?
  • とにかく専属専任にしておけばいいの?

と、不安や疑問を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

実はこの媒介契約、**売却成功に大きく関わる“最初の重要な選択”**です。
今回は、それぞれの媒介契約の特徴と違いを丁寧に解説しながら、あなたに合った契約の選び方までしっかりご案内します。

STEP1:そもそも媒介契約とは?

媒介契約とは、売主が不動産会社に対して「この物件の売却活動を依頼します」と正式にお願いする契約のことです。

  • あくまで「販売の依頼」であり、「売却の義務」は発生しない
  • どの不動産会社にどこまで任せるか?を明確にする契約
  • 口頭ではなく、書面での締結が法律で義務化されている

媒介契約を締結して初めて、正式な販売活動(レインズ登録・広告出稿・内見調整など)が始まります。

STEP2:3種類の媒介契約の比較表

契約種別複数業者への依頼自己発見取引(自分で買主を見つけた場合)レインズ登録義務業務報告義務
専属専任媒介契約不可(1社のみ)不可(必ず業者を通す)義務(5営業日以内)1週間に1回以上
専任媒介契約不可(1社のみ)可(自分で売ってOK)義務(7営業日以内)2週間に1回以上
一般媒介契約可能(複数社OK)可(自分で売ってOK)任意報告義務なし

この違いを理解することで、自分のスタンスや目的に合った契約を選びやすくなります。

STEP3:それぞれの契約の特徴と向いている人

① 専属専任媒介契約

1社にすべて任せ、買主との直接交渉も不可

  • 最も管理が厳しく、情報管理・報告義務も強い
  • 「販売活動の方向性をしっかり統一したい」人向け
  • 不動産会社としても最も注力しやすいため、販売戦略を強力に展開してくれる傾向

向いている人:
忙しくて販売管理をすべて任せたい人/販売スピードを重視したい人

② 専任媒介契約

1社専任だが、自分で買主を見つけてもOK

  • 専属専任と同じく1社のみだが、「自己発見取引」が可能
  • 仲介会社と連携しつつ、自分でも知人や家族などへの売却が可能
  • レインズ登録と定期報告の義務あり(2週間に1回)

向いている人:
販売は任せたいが、自分でも動く可能性がある人/柔軟性を持たせたい人

③ 一般媒介契約

複数社に同時依頼でき、自分での売却も自由

  • 競争原理で各社が頑張ってくれる期待も
  • 一方で“本気度が薄い”扱いになるリスクあり
  • 情報の一元管理が難しく、連絡ミスや内見の重複などのリスクも

向いている人:
業者の動き方を見てから判断したい人/知人経由で売る可能性が高い人

STEP4:契約の注意点と“よくある勘違い”

媒介契約を結んだからといって、必ず売らなければいけない?

A. いいえ。媒介契約は「売却活動の委託」であり、「売却義務」はありません。
条件が合わなければ売却をやめることも可能です。

契約期間はどれくらい?

  • 原則は3ヶ月間(途中解約は可能)
  • 契約満了後は自動更新ではなく、再契約または契約終了の意思確認が必要

専属専任や専任にしたら、途中で業者を変えられない?

A. 途中解約は可能です。
ただし、専属専任・専任は「1社に対する独占契約」なので、解約してから他社へ切り替える必要があります。

事例紹介:「専任媒介」で納得いく形で売却できたMさんのケース

Mさんは当初、複数社に同時依頼する一般媒介を選択。
しかし、業者によって対応の質にバラつきがあり、内見希望がかぶるなど混乱。
信頼できる1社に絞り、専任媒介契約に切り替えたことで、売却活動が一気にスムーズに。

「売る相手を探す前に、“売却のパートナー”を見極めるのが大事だった」と話します。

FAQ:媒介契約に関するよくある質問

Q. 媒介契約って更新しないといけないの?

A. 3ヶ月ごとに「更新」または「新たに再契約」する必要があります。
放っておくと失効し、販売活動が止まる可能性があるので注意しましょう。

Q. 専属専任と専任、どっちがいいの?

A. 「販売をすべて任せたい」なら専属専任、「自分でも少し動きたい」なら専任がオススメです。

Q. 媒介契約を結んだら広告は出してもらえる?

A. はい。専任以上の契約であれば、広告出稿・レインズ登録・販売戦略の提案が行われるのが一般的です。

まとめ:媒介契約は“スタート地点”の契約。自分に合った形を選ぼう

不動産の売却は、「どこに」「どんな条件で」「どう依頼するか」が成功のカギを握ります。
その第一歩となるのが、この媒介契約です。

  • 任せきりにしたいのか
  • 自分でも買主を探すつもりなのか
  • 複数社に声をかけたいのか

まずはあなた自身のスタンスを明確にしてから、最適な契約を選びましょう。
そしてそのうえで、信頼できるパートナーに出会えれば、きっと納得のいく売却が実現できます。

次回予告:不動産仲介の基本⑦|仲介手数料とは?計算方法と「支払う価値」を考える

次回は、多くの人が気になる「仲介手数料」について。
どれくらいの金額になるのか?なぜ支払うのか?その“本当の価値”を紐解きます。

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