【不動産仲介の基本④】不動産仲介の仕組みとは?─ 両手仲介・片手仲介・レインズ…見えにくい“業界構造”を知っておこう
2025年12月4日:初版
「仲介業者って、誰の味方?」─その疑問に答える仕組みの話
不動産の売却や購入を考えるとき、多くの人がふと感じる違和感。
「この仲介業者って、売主側?買主側?それとも中立?」
この疑問の正体は、実は**「不動産仲介の仕組み」に対する理解不足**にあります。
- 「両手仲介」ってなに?なんだか売主と買主を“囲い込む”って聞いたけど…
- 「レインズ」って何の略?どう使われているの?
- 公平な取引になるように、どんなルールがあるの?
この記事では、“誰にとってもフェアな取引”を実現するために知っておきたい、業界の仕組みや構造的な特徴を、プロの視点でやさしく解説します。
STEP1:不動産仲介には“両手”と“片手”の2つの形がある
まず知っておくべきは、「仲介業者は、売主・買主のどちらに付くか?」という構造です。
片手仲介(かたてちゅうかい)とは?
- 不動産会社が「売主」または「買主」のどちらか一方の仲介をする形
- たとえば売主Aさん → 仲介会社X → 買主Bさん(別の仲介会社Y)という取引
▶ この場合、X社とY社はそれぞれ一方の顧客に対して手数料を受け取ります。
両手仲介(りょうてちゅうかい)とは?
- 同じ不動産会社が、「売主」と「買主」の両方を仲介する形
- 売主Aさん → 仲介会社X ← 買主Bさん
- この場合、X社は売主・買主の両方から仲介手数料を得る
▶ 不動産会社にとっては「手数料が倍になる=メリットが大きい」構造です。
両手仲介のメリット・デメリット
売主・買主それぞれの視点から見る両手仲介
| 観点 | メリット | デメリット |
| 売主 | 早く買主を見つけやすい/販売戦略が統一されやすい | 価格交渉が“業者主導”になりやすい |
| 買主 | 売主と直接つながりやすい/内見などの調整が早い | 第三者の立場がないため、リスクの見落としも |
▶ 両手仲介=悪ではありませんが、「公平性が保たれているか」を意識することが大切です。
STEP3:「囲い込み」の問題とその対策
両手仲介の問題点として指摘されるのが、「囲い込み(かこいこみ)」です。
囲い込みとは?
- 売却依頼を受けた不動産会社が、他社の買主紹介を拒否し、自社で買主を見つけようとする行為
- 自社の両手仲介を成立させるために、“情報を意図的に制限”する
▶ これは、売主にとっては「売却チャンスを狭められている」リスクでもあります。
STEP4:「レインズ」とは? 物件情報共有のための業者間ネットワーク
REINS(レインズ)の正式名称と目
REINS = Real Estate Information Network System
→ 不動産業者間で売買情報を共有するための全国ネットワークシステム
- 国土交通省の指定流通機構が運営
- 専属専任媒介・専任媒介契約を結んだ場合はレインズ登録が義務
- 他社が買主を持っていても、平等に情報へアクセスできる
▶ **レインズは「囲い込みを防ぎ、公正な取引を支えるための仕組み」**でもあります。
STEP5:レインズを活用しているか?=信頼できる業者かの指標にもなる
売主として仲介会社に依頼する際は、次のような点を確認しましょう。
- しっかりレインズに登録してくれるか?
- 他社からの問い合わせを受け付ける姿勢があるか?
- 自社の買主だけでなく、広く市場にアピールする気があるか?
▶ 「うちはレインズに出さなくても買主が見つかります」などの説明には注意が必要です。
FAQ:不動産仲介の仕組みに関するよくある質問
Q. 両手仲介は違法じゃないの?
A. いいえ、違法ではありません。
▶ ただし、囲い込みや過度な利益優先が問題視されることがあります。
Q. レインズは売主でも見られる?
A. 一般利用者は直接見ることはできませんが、レインズ登録証明書や閲覧画面のコピーを仲介業者に依頼すれば確認できます。
Q. 両手仲介だと必ず不利になる?
A. そんなことはありません。
▶ むしろ売主・買主双方の条件が揃えば、迅速で効率的な取引ができるメリットもあります。
大事なのは「情報開示の透明性」と「説明責任の履行」です。
まとめ:仕組みを知ることで、“見えない構造”にも納得できる
不動産取引は、売主と買主だけでなく、“仲介業者という第3者の立ち位置”が結果を大きく左右する特殊な世界です。
だからこそ、仕組みを知っておくことで、
- なぜ業者がこのように動くのか?
- この行動に裏があるのか?
- どこまで任せてよくて、どこは自分で確認すべきか?
…といった判断がつくようになり、より安心・納得して取引が進められるようになります。
次回予告:不動産仲介の基本⑤|レインズの仕組みと、正しく活用するためのポイント
レインズは、信頼できる不動産取引を支える“情報公開の基盤”。
次回はその活用法・確認方法について詳しく解説します!



