マンションやアパートなどの不動産を適正な価格で売却したいと考えている方であれば、不動産査定をしなければと思う方も多いでしょう。
しかし、実際にどのように不動産査定を行えばいいのかわからないと感じる方も少なくないと思います。
そのためにも不動産査定方法についてしっかり知識を身につけとかなければなりません。
今回の記事では、不動産査定方法についてやおすすめの不動産査定方法についてを解説していきます。
- 不動産査定についての基礎知識
- 不動産査定のおすすめの方法について
- おすすめの不動産一括査定サイトについて
Contents
そもそも不動産査定とは?
不動産査定とは不動産会社が行う不動産が売れそうな価格を見積もってもらうことです。
依頼者が不動産会社が出した査定結果に対して合意が取れれば、不動産会社と売却の媒介契約を交わすことになります。
不動産会社は媒介契約を交わした後に売却活動していき、売買契約が成立することで不動産会社は初めて仲介手数料を得ることができる成果報酬制度を採用しています。
不動産査定の2つの方法について
不動産会社が実施する査定方法には2つの方法があり、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」があります。
「簡易査定」では、時間がかからない分簡単な査定が可能で、一方「訪問査定」では不動産会社が直接不動産物件を確認して査定するため時間がかかる分、正確な査定結果が出ます。
机上査定 | 訪問査定 | |
査定方法 | 成約履歴・所在地・物件種別・面積・築年数 | 机上査定の情報・使用状況・日当たり、地域特性 |
期間 | 翌日〜5日程度 | 1週間程度 |
料金 | 無料 | 無料 |
査定の正確さ | おおよその価格 | 市場相場に近い金額 |
【不動産査定方法①】簡易査定(机上査定)について
机上での査定となるため、売却対象となる不動産についてのデータを元に売却価格を査定する方法となります。
価格を計算するために根拠資料となる「築年数」「間取り」「立地(住所など)」「土地の形状」「日当たり」などの情報を不動産会社から質問されるでしょう。
【不動産査定方法②】訪問査定について
訪問査定では、簡易査定とは異なり、実際に現場にある不動産を確認して売却価格を査定する方法となります。
不動産に対する「築年数」「間取り」などのデータだけではわからないような周辺地域の付加価値や建物の使用状況も考慮した売却価格が査定できるので、より正確な売却価格を知ることができます。
複数の不動産会社に訪問査定を依頼することが難しいという方であれば、不動産一括査定サイトを利用することで、複数社へ一括で不動産査定依頼できるので上手に利用しましょう。
不動産査定のおおまかな流れについて
不動産査定のおおまかな流れについて理解しておくことで、不動産売却の取引をスムーズに行えたり、不動産会社任せの取引にならずに済むでしょう。
全体の流れは以下の通りとなります。
- 不動産会社へ査定依頼をする(複数社推奨)
- 簡易査定の結果をもとに訪問査定(複数社推奨)
- 書類確認
- 査定結果の確認
不動産査定の流れ①|不動産会社へ査定依頼をする
不動産会社へ査定を依頼していきますが、どこの不動産会社へ依頼するかで、査定の結果は変わってくるので不動産会社の選択は重要です。
複数社の査定結果を比較することで、不動産の売却相場を知ることができたり、信頼できる不動産会社を選択ができるでしょう。
ただ、多くの方にとって、複数の不動産会社に訪問査定を依頼することというのは手間がかかる面倒な作業だと思います。
そこで、不動産一括査定サイトを利用し、複数社へ一括で査定をしてもらい、不動産会社を比較しましょう。
不動産査定の流れ②|簡易査定をもとに訪問査定
複数の簡易査定の結果をもとに、信頼できそうな不動産会社をまた複数社選び、訪問査定を依頼してみましょう。
先ほども解説しました通り、訪問査定では実際に不動産会社の担当者が建物の外観や内観を確認しますので、より正確な不動産売却価格を査定ができます。
そのため、訪問査定でも複数の不動産会社への査定を依頼することをおすすめします。
不動産査定の流れ③|査定に関わる書類の確認
訪問査定の際には、不動産会社から依頼される書類の提示をお願いされることもあります。
必要な書類については、不動産会社によって異なってきますので、事前に不動産会社の担当者へ連絡しておくと良いでしょう。
書類の種類 | 書類の内容 |
---|---|
権利証または登記識別情報 | 所有者であることの証明書 |
建築確認済・検査済証(一戸建て) | 建築物が建築法規で定めた法律に遵守して建築していることを証明する書類 |
測量図・境界確認書類(一戸建て・土地) | 建物や土地の測量図、隣地の土地所有者と所有権の境界について協議が行われた証明 |
間取り図 | 建物の間取り図面。 |
住宅ローンの返済予定表 | 金融機関から証明書が発行できる住宅ローン残債の証明書 |
耐震診断・地盤調査・住宅性能評価書等 | 建築物に対して、第三者が作成した報告書など査定に有益な情報となる書類 |
簡易査定の場合にはこれらの書類が必要ではありませんが、訪問査定時に書類を準備しておくことで有利に査定が行えたり、売却時にも客観的な根拠資料となるため安心して取引が行えます。
不動産査定の流れ④|査定結果について
ここまできましたら、不動産会社からの査定結果の報告を待ちましょう。
不動産会社は提出した建物のデータを参考にして、過去の制約事例と似たような取引などを参考にして売却価格を査定してくれます。
信頼できる不動産会社を選択するためにも、まずは複数社への不動産一括査定の依頼をすることが必要です。
不動産の査定額が決まる3つの根拠について
不動産の売却価格が決まる根拠には3つの手法を理解する必要があります。
不動産価格は「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つの手法を使って算出されます。
対象物件 | 査定の特徴 | |
---|---|---|
取引事例比較法 | 土地やマンション | 周辺の類似している制約事例から価格を査定 |
原価法 | 戸建て | 建物の査定時点での再調達する場合の原価を計算し、減価償却する査定 |
収益還元法 | アパート、賃貸マンション、店舗、オフィスビル | 純収益を利回りで割り査定金額を求める方法 |
不動産査定額の根拠:取引事例比較方法
取引事例比較方は、売却対象の物件との周辺成約事例をもとに売却査定をする方法で、主に土地やマンションで採用される査定方法になります。
取引事例比較法では、取引日時が近く、物件の条件が似ている類似性の高い成約事例を用いているかで査定の精度が変わってくるでしょう。
不動産査定額の根拠:原価法
原価法は主に一戸建ての住宅に対して使われる手法で、不動産を査定する時点で物件を取り壊して立て直し、築年数の経過を計算に入れた査定方法になります。
戸建て物件の査定をする場合には、建物自体は「原価法」で査定し、土地は「取引事例比較法」で査定することが多いです。
建物の耐用年数や減価償却については、国税庁のウェブサイトを参考にすることでより客観的に計算することが可能です。※出典:国税庁ー「耐用年数」
不動産査定額の根拠:収益還元法
収益還元法では、主に収益が発生するような物件の価格を求める際に利用され、アパートや賃貸マンション、店舗、オフィスビルなどで採用されます。
不動産に対して投資することで得られる純利益と還元される利回りで割ることで売却価格が算定されます。
不動産が将来生み出す収益に基づいて査定金額を算出する方法なので、投資用不動産の査定に用いられることが多いです。
不動産査定にかかる時間
不動産査定にかかる時間は「簡易査定(机上査定)」か「訪問査定」かによって変わってきます。
先ほども解説しましたが、「簡易査定」の場合は現地に行くことなく調査しますので、時間もあまりかからずに査定することが可能ですが、「訪問査定」の場合は現地調査までするので時間がかかります。
時間 | 査定精度 | |
---|---|---|
訪問査定 | 日程調整後、現地調査に30〜1時間程度 | 高い |
簡易査定(机上査定) | 1〜3日程度 | 訪問査定よりは低い |
訪問査定の場合は営業担当者と日程調整をした後に現地の確認がありますので、日程を合わせるために日数がかかることが予想されます。
簡易査定の場合は、早ければ当日中に査定結果の報告を受けることもあり、遅くても1週間以内には報告の連絡をもらえるため、気軽に査定してもらえることがメリットです。
不動産査定における注意点
不動産会社が無料で行ってくれる不動産査定には注意点があり、不動産売却に伴って査定依頼を検討している方は注意点についても十分理解しておきましょう。
不動産査定の注意点は以下の2つになります。
- 不動産会社によって査定価格が異なること
- 査定価格が売却価格になるとは限らない
不動産会社によって査定価格が異なること
不動産査定で注意すべきポイントは、不動産会社によって査定価格が異なるということです。
不動産会社が行う査定方法を解説しましたが、不動産会社が行う査定はあくまで「過去の成約価格のデータ」から算出したもの。
しかし、大幅に相場から離れた価格を出してくる不動産会社がいたらどうでしょうか?そこの不動産会社に頼めば高い売却価格で売れると思わないでしょうか?
このように査定価格を上げてくる業者には注意が必要です。
査定価格が売却価格となるとは限らない
不動産会社が報告してくれる査定価格は、売却できることを保証する価格ではないです。
もちろん相場から大幅に外れている査定金額を報告している不動産会社もありますので、その場合には査定金額の根拠をしっかりと聞いて判断することが大切です。
おすすめの不動産一括査定サイトの選び方
不動産の売却には適正な売却価格と信頼できる不動産会社を見つけることが必要不可欠です。
そのためにも複数の不動産会社へ不動産査定を依頼し、比較していかなければなりませんが、複数の不動産会社へ査定依頼をして比較していくのは非常に時間や労力がかかります。
そこで、不動産売却を行う際に便利な不動産一括査定サイトの選び方について解説していきます。
- 情報の信頼性
- 登録している不動産会社の数
- 査定できる最大不動産の社数
- 得意な物件
- 不動産一括査定サイトの評判について
不動産一括査定サイト選び方①:情報の信頼性
情報の信頼性は間違いなく大事です。
不動産一括査定サイトの情報の信頼性を見分けるためには以下の点に注意しましょう。
- 運営会社、提供会社が明記されているか?
- 運営会社、提供会社を検索すると情報を見つけられるか?
- 大手企業が運営しているのか?
- 運営実績はあるか?
- 利用者の口コミや感想が記載されているか?
上記のポイントを踏まえて、実際の「HOME4U」を確認してみると以下のようなことがわかります。
HOME4U | |
運営会社 | NTTデータ(東証一部上場)グループ |
提携会社数 | 約1,800社 |
運営実績 | 売却査定数累計45万件 ※2021年6月時点 |
口コミ | ・営業マンの対応を比較できたのがよかった ・複数社に同条件で査定依頼できるのがよかった ・業者の平均価格を知ることができてよかった |
出典:HOME4U
不動産一括査定サイトの比較方法②:登録している不動産会社の数
不動産一括査定サイトによって不動産会社の登録数は異なります。
不動産一括査定サイトは一度の申請で不動産一括査定サイトへ登録している不動産会社から査定を依頼することができますので、数が多い方が希望に近い条件の業者へ出会える可能性が上がるでしょう。
登録社数別 | 社数 |
---|---|
すまいValue | 900社 |
LIFULL HOME’S | 3000社 |
HOME4U | 1800社 |
イエウール | 1900社 |
SUUMO不動産売却 | 2000社 |
イエイ | 1700社 |
リビンマッチ | 2600社 |
REGuide | 800社 |
不動産一括査定サイト選び方③:査定できる最大不動産社数
一括で査定できる数は不動産一括査定サイトによって異なります。だいたい4〜10社程度で査定できるところがほとんどです。
ここは多少好みもあるかもしれませんが、多くの不動産会社へ一括査定を依頼できれば、不動産会社を比較検討する材料がたくさん集まります。
一括査定できる最大社数で比較した表が以下になります。
最大不動産社数 | 社数 |
---|---|
すまいValue | 6社 |
LIFULL HOME’S | 10社 |
HOME4U | 6社 |
イエウール | 6社 |
SUUMO不動産売却 | 10社 |
イエイ | 6社 |
リビンマッチ | 6社 |
REGuide | 10社 |
不動産一括査定サイト選び方④:得意なエリア・物件について
不動産一括査定サイトにも得意な物件の種別(マンション、戸建て、賃貸)やエリア(都市部・地方部)があります。それぞれが得意な物件・エリアに合わせて不動産一括査定サイトを使用するといいでしょう。
得意な物件・エリア別でまとめた表が以下になります。
得意な物件 | |
---|---|
すまいValue | ・都市部に強い |
LIFULL HOME’S | ・担当者によって得意な物件種別が記載されている ・戸建て、マンション、土地 |
HOME4U | ・土地活用、不動産投資にも強い |
イエウール | ・都市部・地方にも強い |
SUUMO不動産売却 | ・担当者によって得意な物件種別が記載されている |
イエイ | ・大手、地方どちらも強い |
リビンマッチ | ・買取査定、リースバック、土地活用 ・戸建て、マンション、倉庫、土地、店舗など |
REGuide | ・不動産投資、収益物件情報の実績あり ・戸建て、マンション、土地、事務所など |
不動産一括査定サイト選び方⑤:評判について
中には質の悪い不動産一括査定サイトもあるでしょう。
不動産一括査定サイトは売却を検討している方にとっては非常に便利なサービスですが、中には質の悪い不動産一括査定サイトもあり、見極める必要があります。
Twitterなどでハッシュダグをつけて検索をするとその会社の口コミ・評判はすぐに検索できます。気になる方はぜひ事前にチェックしましょう。
よくある質問
その理由としては、不動産査定自体が不動産会社の営業の一部として扱われているため、費用が発生しません。
訪問査定の際には、不動産会社から建物の「建築確認済書」「登記簿謄本」などの書類の提示を依頼される可能性がありますので準備しましょう。
他にも「耐震診断・地盤調査・住宅性能評価書」などの書類があると査定に対して有利な結果をもたらす可能性があるので準備しましょう。
そのため、複数の会社で不動産査定を行い、適正な売却価格でもって信頼できる不動産会社へ売却依頼をすることが大切になります。
まとめ|不動産査定は必ず複数社へ!
不動産査定は誰でも無料で依頼できるため、気軽に不動産の売却金額を調べることが可能です。
しかし、不動産会社が行う査定結果には差があるため、どこの不動産会社へ売却を依頼するべきかわからなくなる可能性もあります。
複数の会社へ査定依頼が難しいという方であれば、不動産一括査定サイトを利用することで、一度の申し込みで、複数の不動産会社へ査定依頼ができるでしょう。