コロナ禍によって家族や自宅で過ごす時間が増えたおかげもあり、老後の資産形成や現在のキャッシュフロー(収入)の強化をしたいと考える方も増えているでしょう。
その中で、サラリーマンでも片手間で実施ができるような「不動産経営」に興味を持っている方も多いのではないでしょうか?
近年の日本のインフラによる影響により、不動産価格は上昇傾向にあるため、不動産経営に興味を持つ人は多いでしょう。
そこで、今回の記事では不動産経営とは何か紹介していきます。不動産経営の仕組みや、メリット・デメリットなどが載っていますので、参考にしてみるといいでしょ
Contents
【始める前にチェック】不動産経営とは?
不動産経営とは、不動産(マンション・アパート・戸建)を購入して、入居者を募集して家賃収入を得たり、不動産の売却で利益を狙う事業です。
不動産経営はリスクが大きく「危険」と感じる方も多いですが、昔からある事業のため、しっかり勉強して成功すれば大きなメリットがあります。
不動産経営の仕組み
不動産経営の仕組みはシンプルで、物件を購入して入居者募集し家賃収入から不動産事業の費用を差し引いたものが利益となります。
- 物件の選択
- 物件の購入(現金・銀行からの融資)
- 入居者を募集
- 家賃収入を得る
- 手数料を支払う(税金・管理費用・リフォーム費用・保険など)
- 残りが収益
また、昔からある事業のため考えられるリスクを予想しやすいのも不動産経営のメリットです。そのため、不動産経営を始める前には勉強・シミュレーションが必要不可欠です。
不動産経営の必要資金
不動産経営をするためには、収益用物件を持つことから始めなければなりません。
また、不動産経営では収益物件の購入費用だけでなく、「不動産投資ローンの利息」「仲介手数料」「登記費用」「火災保険」「不動産所得税」などの費用がかかるでしょう。
不動産経営で必要な費用 | |
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物件購入費用 | ・新築アパートの坪単価 ・中古アパート |
仲介手数料 | 物件価格×3%+6万円 ※不動産仲介業者からの紹介の場合 |
不動産投資ローンの利息 | 【東京スター銀行】 【オリックス銀行】 |
登記費用 | 課税標準額×税率 |
司法書士への報酬 | 登記の際に依頼する報酬 10〜15万円 |
不動産所得税 | 購入した物件の固定資産税評価額×3% |
火災保険料 | 30万円〜50万円(5年間) 参考:三井住友海上 |
不動産経営のメリット
不動産経営は、昔からある投資手法のため事業として自動化もでき、サラリーマンの方でも始められるのもメリットです。
そこで、不動産経営することのメリットについても解説していきます。
- 安定した家賃収入
- 税務のコントロールが可能
- 不動産投資ローンが利用可能
安定した家賃収入
不動産経営でまず最初に考えられるメリットとして「安定的な家賃収入」があげられるでしょう。
下記の一般社団法人 日本不動産研究所が公表しているデータからも利回り4.0%〜5.0%程度で運用することが予想できます。
出典:一般財団法人 日本不動産研究所「第45回 不動産投資家調査」
地区 | ワンルーム | ファミリー向け |
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札幌 | 5.3% | 5.5% |
仙台 | 5.3% | 5.5% |
さいたま | 5.0% | 5.0% |
千葉 | 5.0% | 5.0% |
横浜 | 4.5% | 4.8% |
名古屋 | 4.8% | 5.0% |
京都 | 5.0% | 5.1% |
大阪 | 4.6% | 4.7% |
神戸 | 5.0% | 5.1% |
広島 | 5.5% | 5.6% |
福岡 | 5.0% | 5.0% |
また、住居系の「家賃収入」は景気に左右されずに一定の需要があるため、不動産経営初心者の方でも挑戦しやすいのもメリットでしょう。
税務のコントロールが可能
不動産経営では、本業の収益と損益通算(不動産経営の事業と給与所得の収支を合算)して節税対策を講じることが可能です。
日本の所得税は所得が多ければ税金も高くなる「累進課税制度」を採用しているため、課税所得900万円以上(年収1200万円程度)の方になるとより節税効果が高くなります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
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1000〜 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000〜3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000〜6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円〜8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円〜17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円〜39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
不動産投資ローンが利用可能
また、不動産経営では物件購入にあたり資金を銀行から借入することも可能です。
金融機関から不動産投資ローンを借入するためには、「事業計画書」が必要になり、個人の属性(年収・勤務年数・資産などの要素)を審査しなければなりません。
しかしながら、不動産投資ローンを利用すれば、資産形成のスピードを加速させることも可能なところも株式投資・投資信託にはないメリットでしょう。
金融機関 | |
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日本政策金融公庫 |
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東京スター銀行 |
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オリックス銀行 |
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不動産経営のデメリット・リスク
不動産経営では「安定した家賃収入」「一定の節税効果」「ローンが利用できる」メリットがある一方で、リスクも多く存在します。
リスクを上手にコントロールできれば、「不動産経営」では安定した収益を狙えるので、確実に理解しておきましょう。
- 空室リスク
- 災害リスク
- 建物老朽化リスク
空室リスク
不動産経営で最も回避しなければならないのが、「空室リスク」でしょう。空室が発生してしまうと家賃収入が得られなくなり、不動産投資用ローンの返済もあり悪循環が発生します。
実際に、日本では空き家の数は年々上昇しているため、しっかり「空室リスク」対策を講じなければ、不動産経営は成功できないでしょう。
空室リスクを回避して不動産経営を成功している方は、周辺物件の設備・家賃・稼働率の調査や、賃貸ニーズの調査はしっかり実施しています。
災害リスク
不動産経営で心配になることとして、「災害リスク」も考えられるでしょう。日本は災害大国として有名なため、災害に対する対策は必ず実施しておくことが必要です。
また、不動産経営では長期的な運用(10〜30年)となることも予想できるため、いつどこで発生するかわからない災害に対して、「絶対大丈夫だ」と過信するのは危険です。
年月日 | 災害 |
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2022年 3月 | 福島県沖地震 |
2021年8月 | 全国集中豪雨 |
2021年7月 | 伊豆山土砂災害 |
2021年 2月 | 福島県沖地震 |
2020年7月 | 令和2年7月豪雨(九州や中部地方) |
2019年9月 | 台風19号(関東地方や甲信地方、東北地方など) |
2019年9月 | 台風15号(関東) |
2019年8月 | 九州北部豪雨(長崎県・佐賀県・福岡県) |
地震による被害が印象に残りがちですが、近年は「水害」による被害も大きいです。
建物老朽化リスク
不動産も10年〜30年と経過することで、外観が劣化・住宅設備の故障・塗装の剥がれ・屋根の剥がれが生じることは予想できます。
建物の部材・資材などには「耐用年数」が決まっているため、それに対応してリフォーム・修繕工事が必要になってくることを意識する必要があります。
耐用年数 | 年数 |
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屋根 | 15〜30年 |
外壁 | 15〜20年 |
土木・基礎 | 35年 |
躯体(柱) | 40年 |
開口部 | 15年 |
内装(床・壁・天井・収納) | 20年 |
厨房・浴室・洗面所・トイレ | 15年 |
給排水・給油設備 | 15年 |
照明器具・電気設備 | 15年 |
冷暖房 | 5年 |
また、不動産は築年数の経過によって資産価値も減少、中古マンションであれば築年数25年程度で資産価値が半分になるとされています。
出典:国土交通省 「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」
不動産経営の種類
不動産経営には建物の種類によって大きく4つに分けることができるでしょう。
収益物件となる建物の種類が変わることで、物件自体の値段や家賃も変わってくるため、戦略も変わってきます。
1棟マンション
比較的物件価格が高額になりやすい「1棟マンション」では、資産としても大きいため、収益性を高くあげることも可能でしょう。
1棟アパートと比較すると、1棟マンションの方が規模が大きく、建物構造も頑丈な作りであることが多いです。
1棟マンション | |
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建物構造 |
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価格帯 | 600万円〜20億円 出典:LIFULL HOME’S |
特徴 |
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1棟アパート
1棟アパートでは、マンションと比較しても規模・価格も小さく初心者の方でも始めやすい建物種類になります。
1棟マンションと比較すると、建物の構造に昔ながらの「木造」が取り入れられているため、費用やメンテナンス費用が小さく住むことがメリットでしょう。
1棟アパート | |
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建物構造 |
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価格帯 | 200万円〜9億円 出典:LIFULL HOME’S |
特徴 |
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区分マンション(ワンルームマンション投資)
マンション一棟は手が出ないという方でも、区分マンション一室で不動産経営を検討している方も多いでしょう。
近年流行りの「ワンルームマンション投資」も区分マンションの不動産経営にあたります。
1棟マンションと比較すると、価格だけでなく、メンテナンス費用・リフォーム費用なども小さく済みますが、空室リスクの分散が取りづらいのが初心者にとっては大きなデメリットです。
区分マンション (ワンルームマンション) | |
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建物構造 |
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価格帯 | 30万円〜80億円 出典:LIFULL HOME’S |
特徴 |
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一戸建て
中古戸建て投資も近年流行りつつある不動産経営方法です。「ボロ戸建」であれば、200万円程度から不動産経営者としてスタートすることも可能です。
中古戸建は物件購入後にすぐに貸し出しをせずに、リフォームやハウスクリーニングを施して、家賃を上げて貸し出すのが一般的です。
一戸建て | |
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建物構造 |
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価格帯 | 200万円〜1.7億円 出典:LIFULL HOME’S |
特徴 |
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不動産経営で失敗する例
不動産経営で失敗する例として、「節税対策」「生命保険代わり」「年金代わり」で不動産経営を実施してしまうことが考えられます。
不動産経営で失敗を避けるためにも、失敗例について確認しておきましょう。
節税対策の不動産経営
不動産経営では、税務の知識も幅広く利用されるため不動産営業者から「節税対策」になるなどの営業を受けることもあるでしょう。
確かに、不動産経営を通して「一定の節税対策」を講じることが可能なことは解説しましたが、不動産営業マンが「節税対策」を売りに出してきたら要注意です。
ちなみに、不動産経営による節税対策でメリットを大きく受け取ることができるのは、年収1200万円以上・課税所得900万円以上の高年収の方のみです。
生命保険代わりの不動産経営
不動産投資用ローンを組んで「収益物件」を購入することで、生命保険代わりにもなると営業マンからアピールされた時にも注意が必要です。
確かに、「不動産投資用ローン」を組んで不動産を購入することで、「団体信用生命保険」によって万が一病気・高度障害によりローン返済できなくなった場合にはローン残債がなくなることもあるでしょう。
残された家族は、「収益物件」から得られる家賃収入や売却益によってお金を得られますが、不動産経営と生命保険は全く別物です。
年金代わりの不動産経営
不動産経営によってワンルームマンションや賃貸アパートが自分の資産になり、老後の資産形成に役に立つと考える人も多いでしょう。
確かに、自分の資産になったワンルームマンションなどを運用して毎月の家賃収入が得られれば、老後の生活に役に立つかもしれません。
老後の資産形成をするのであれば、「iDeco」「NISA」「企業年金」等を利用して、資産形成をすることも考えましょう。
後悔しないための不動産経営の始め方
「不動産経営を始めてみたい」と感じている方であれば、大きな失敗をしないで安定的に収入を得ていきたいと感じているはずです。
不動産投資の勉強をする
不動産経営では、動く金額も大きいためいきなり「不動産の購入」をしてしまうと取り返しがつかないことが多いです。
そのため、まずは「不動産投資の勉強」からスタートすることがおすすめです。不動産投資の本を10〜15冊程度読むことを推奨している人も多いでしょう。
「不動産投資の本からスタートするのは抵抗感がある」という方は、無料セミナーにて基礎的な部分を学んでみるのもおすすめです。
ターゲット・物件種別を決める
不動産経営で大切なのは、できるだけ「空室リスク」を抑えて不動産を運用すること。そのため、購入を検討している物件周辺のニーズを汲み取ることが重要です。
不動産経営を検討しているエリアが「単身赴任者・学生」が多いのか、「ファミリー層」が多いのかで、物件のニーズも変わってくるでしょう。
ターゲットを分析して、入念な「資金計画」を立てることができれば、上手に不動産を活用できるでしょう。
収入・収支目標を立てる
不動産経営で大切なのは、不動産購入後にどれくらいのコストがかかり、何年程度で投資資金を回収できるのかを算出することです。
シミュレーションを通して、どれくらいの期間で投資資金を回収・収益化が実現できるのか検討していくことが重要です。
現在であれば、無料のシミュレーションツールもあるので、活用して不動産経営を成功させましょう。
よくある質問
上記の流れが、不動産経営の仕組みです。
まとめ|不動産経営なら勉強からスタート
不動産経営は昔からある事業のため、「安定した収益性」「税金のコントロール」「投資用ローン」の活用もできる事業です。
また、歴史ある事業であるため、「デメリット・リスク」は予想しやすく、物件の購入前からどのようなリスクがあり、どれくらいの収益が見込めるのかを算出しやすいです。
不動産経営には特に必要な「資格」は存在しませんが、初心者の方であれば、不動産投資の本を10〜15冊程度読むことがおすすめです。
最初から不動産投資の本を読むのは抵抗があるような方は、「おすすめの不動産投資会社」では数多くのセミナーを開催しています。