家を買う流れ・手順|建売・注文住宅の違い、費用・必要な準備

賃貸住宅や賃貸マンションで生活する方の中には、そろそろ持ち家が欲しいと考える方も多いでしょう。

そこで気になるのは、家を新しく建てる新築と、建売を購入することにはどのような違いがあるのかということではないでしょうか。

今回この記事では、家を建てる・購入するそれぞれの違いについて、必要な準備やメリット・デメリットなどを解説します。

賃貸から持ち家に切り替えたいという方は、ぜひ参考にしてください。

「建売住宅」「注文住宅」の違い

1から建てる家は「注文住宅」といい、建築済みの「建売住宅」を購入することと分けられます。

ハウスメーカーと間取りやデザインの設計から行なっていく注文住宅に対し、建売住宅はすでに完成している住宅を不動産会社から買い取ることになります。

家を建てることと購入すること、どちらも自分の家を持つことに変わりはありません。

注文住宅と建売の違いを把握しておくことで、よりご自身に適したマイホームの実現に近づくでしょう。

建売住宅で家を買う流れ・必要書類・費用

ここでは、建売住宅を購入することを前提にした準備について、購入の流れ・必要な書類・かかる費用を解説します。

購入の流れ

1.情報収集希望するエリアで販売されている物件の間取り・価格などを検索する
2.物件の見学実際に見てみたい物件を対象に見学を申し込む
3.物件の絞り込み情報収集・見学を経て、本当に住みたいと思える物件をひとつに絞る
4.購入申し込み家を購入する意思表示と、交渉を開始するための工程
5.住宅ローンの事前審査購入申し込みと同時に行うのが一般的
6.契約書・重要事項説明書の確認物件の情報や契約内容などを確認する工程
7.正式に契約締結契約書・重要事項説明書の確認が問題なく済めば、手付金を支払って契約締結
8.住宅ローンの本申し込み・契約売買契約が正式に締結した段階で行う
9.内覧物件の仕上がり・状態に不備がないか確認する
10.残金の決済購入価格から手付金を引いた残額を支払う
11.引き渡しここまでの工程をすべて終え、住宅ローンの手続きが完了したら入居

ここまでが建売住宅を購入する基本的な流れです。

特に住宅ローンは、審査の流れや融資の条件などを細かく把握する必要があります。

必要な書類

申し込み時
  • 免許証・健康保険証・マイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 購入の意思表示をするために使用する購入申込書(買付証明書)
住宅ローンの審査時
  • 事前審査の申込書
  • 免許証・健康保険証・マイナンバーカードなどの本人確認書類(借入者・保証人・担保提供者それぞれ必要)
  • 源泉徴収・確定申告書・決算報告書などの収入証明書類
  • 間取り図や概要書など、物件情報に関する書類
  • 借入が他にある場合は残高証明書
売買契約の締結時
  • 免許証・健康保険証・マイナンバーカードなどの本人確認書類(本人・共有名義者)
住宅ローンの申し込み時
  • 免許証・健康保険証・マイナンバーカードなどの本人確認書類(本人・保証人・担保提供者)
  • 借入申込書
  • 団体信用生命保険申込書
  • 発行後3ヶ月以内の住民票・印鑑証明書
  • 源泉徴収・確定申告書・決算報告書などの収入証明書類
住宅ローンの契約時
  • 住宅ローン契約書
  • 抵当権設定契約書(本人・保証人・担保責任者)
  • 発行後3ヶ月以内の住民票・印鑑証明書
引き渡し時
  • 発行後3ヶ月以内の住民票・印鑑証明書

購入の工程ごとに用意する書類に違いがあるため、それぞれの発行方法について把握しておきまししょう。

不動産会社によって、書類を用意するタイミングも異なる場合があるかもしれません。

かかる費用

手付金
  • 売買契約締結時に支払う
  • 購入代金の5〜10%が目安
申し込み証拠金
  • 購入申し込み時に必要
  • 申し込み撤廃時には返金
仲介手数料
  • 売買を不動産会社に依頼した場合に発生する
  • 物件金額の3%に6万円と消費税が加わる
固定資産税・都市計画税
  • 購入年の1月1日段階で対象となる不動産を所有していた方が払う税金
  • 売買契約時に日割りで精算される
不動産所得税
  • 不動産購入時に支払う税金
  • 支払うのは購入時のみ
登記費用
  • 抵当権抹消・所有権移転の際に発生する費用
  • 登記を代行する司法書士に「報酬」として支払う
印紙税
  • ローン契約書・売買契約書などに印紙を貼り、収める税金
  • 税額は購入金額によって変動
ローン借入費用
  • 保証料・火災保険料・事務手数料・団体信用生命保険料などが該当

場合によっては物件を購入する際に「頭金」を用意することもあります。

頭金は物件金額の2割が目安ですが、その他の費用同様に変動が考えられます。

注文住宅で家を建てる流れ・費用・必要書類

ここでは、新築で家を建てる場合の流れ必要な書類費用についてご紹介します。

建築の流れ

1.予算の検討注文住宅の建設・住宅ローンの金額を把握する
2.イメージ作り家を建てるエリア・デザイン・間取りなど、実際に建てる家のイメージを固めておく
3.ハウスメーカーを選ぶハウスメーカーごとに展開されているラインナップや家づくりの特徴、坪単価などの情報を比較する
4.モデルハウス見学・土地探し

家づくりのイメージをよりわかりやすくするためにモデルハウスを見学する

所有している土地がない場合はこの段階で土地探しを行う

5.間取りのプランニングと見積もりの掲示ハウスメーカー側にしっかり要望を伝えながら、見積概算・間取り図・資金計画書を作成する
6.工事請負契約の締結仕様・設備・費用などの観点をしっかり確認したうえで契約を締結する
7.プラン・詳細に関する打ち合わせプラン決定のために必要な地盤調査・住宅ローンの仮審査・市町村への建築確認申請などを行う
8.着工近隣への挨拶・地鎮祭・上棟式などを行なったうえで着工
9.完成・引き渡し工事完了後、市町村の完了審査を受け、検査済証が発行されたのちに引き渡し

ハウスメーカー選びは特に重要で、それぞれの家づくりに関する特色がニーズに合っているかを検討する必要があります。

注文住宅の検討から工事開始・引き渡しまではおよそ9ヶ月〜1年ほどかかるのが一般的です。

必要な書類

検討・資金計画時
  • 源泉徴収・確定申告書・決算報告書などの収入証明書類
  • 借入が他にある場合は残高証明書
  • 建築を予定しているプランのパンフレット
住宅ローンの事前審査時
  • 事前審査申込書
  • 源泉徴収・確定申告書・決算報告書などの収入証明書類
  • 免許証・健康保険証・マイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 間取り図やパンフレット
  • 借入が他にある場合は残高証明書

住宅ローンの本審査時

  • 源泉徴収・確定申告書・決算報告書などの収入証明書類
  • 発行後3ヶ月以内の住民票・印鑑証明書
  • 登記事項証明書
  • 間取り図
  • ローンの返済予定表
  • 別のローンがある場合は通帳
購入(建築)決定時
  • 売買契約書
  • 購入申込書
  • 抵当権設定契約書
  • 住宅ローン契約書
  • 重要施工説明書
  • 収入印紙
  • 印鑑
  • 発行後3ヶ月以内の住民票・印鑑証明書
引き渡し時
  • 印鑑
  • 発行後3ヶ月以内の住民票・印鑑証明書

書類を準備する際は、枚数・スケジュール含めてできるだけ余裕を持って準備しましょう。

住民票を用意する際は、同居者全員の情報を記載し、マイナンバーなどは省略してください。

かかる費用

土地代
  • すでに土地を所有している場合は不要
建築確認申請費
  • 工事の契約時に支払う
地鎮祭費用・中間金・上棟式費用
  • 住宅ローンの審査後に支払う
登記費用・ローン借入費用
  • 物件の完成後、引き渡し前に支払う
最終金
  • 引き渡し時の最終チェックが終了した段階で支払う

家を建てていく段階ごとに支払う費用の種類や金額も変わるため、注意しましょう。

また、ほとんどの費用は自己資金から支払うことになる点も把握しておかなければいけません。

建売住宅を購入するメリット・デメリット

建売住宅を購入するメリット

建売住宅を購入するメリット
  • ローンを完済すれば資産になる
  • 団体信用生命保険を利用できる
  • 新築よりも短期間で新しい生活ができる

ローンを完済すれば資産になる

住宅ローンは大きな枷になるものの、完済してしまえば家を資産として活用できます。

資産があることで社会的信用度も高まるため、大きなメリットと言えるでしょう。

団体信用生命保険を利用できる

団体信用生命保険に加入することで、万が一ローンが支払えなくなった場合にも安心できます。

世帯主が亡くなる、重度の障害状態になってしまうことによる不安を解消できるでしょう。

新築よりも短期間で新しい生活ができる

建売住宅はすでに完成している物件を購入するため、短期間で新生活をスタートできます。

インテリアなど、既存の部屋をベースに考えるのが好きな方にとってもおすすめです。

建売住宅を購入するデメリット

建売住宅を購入するデメリット
  • 住み替えが難しい
  • 新築よりも自由度が少ない
  • 諸経費・維持費などがかかる

住み替えが難しい

建売住宅は住宅ローンを支払う期間も長いため、ちょっとやそっとでは住み替えができません。

家庭環境の変化によっては住み替えが必要になるため、不動産会社に相談をしましょう。

新築よりも自由度が少ない

すでに完成した物件を購入することになるため、間取りやデザインの融通が利きません

内装やインテリアの配置といった箇所にこだわりを反映させましょう。

諸経費・維持費などがかかる

新築物件の場合も同様ですが、固定資産税などの費用がマンションと比べて多いことがネックです。

メンテナンスなども自己資金で行うため、イレギュラーな出費が多いことも把握しておきましょう。

注文住宅で家を建てるメリット・デメリット

注文住宅で家を建てるメリット

新築で家を建てるメリット
  • 人生に充実感が加わる
  • のびのびと子育てができる
  • 生活音の心配がなくなる
  • 暮らしの自由度がアップする
  • 資産を残せる

人生に充実感が加わる

注文住宅は、建売住宅以上に「自分の家を建てた!」という実感を得やすいのが特徴です。

自分で1から家を建てたという自信にもなるため、その後の人生を充実させられるでしょう。

のびのびと子育てができる

自分の家を1から建てることで、子育てに配慮した設計にすることも可能です。

そのため、より良い子育てをするための環境として家を建てる方も非常に多い傾向にあります。

生活音の心配がなくなる

マンションやアパートとは異なり、騒音問題から離れられるのも新築住宅のメリットです。

また、防音対策などを事前に強化した設計ができるため、建売以上に快適なつくりを実現できます。

暮らしの自由度がアップする

部屋数や間取り、生活動線に配慮したデザインなど、それぞれが抱く自由を叶えられるのが注文住宅のメリットです。

家という場所への理想を反映できることが、注文住宅ならではの魅力と言えます。

資産を残せる

一度家を建ててしまえば、よほどのことがない限りは資産として残り続けます。

次の世代にも残していけるよう、定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。

注文住宅で家を建てるデメリット

新築で家を建てるデメリット
  • メンテナンスが自己責任になる
  • 建てる前の状態を確認できない
  • 階段の登り降りが負担になる

メンテナンスが自己責任になる

建売同様、破損や設備の不良といったメンテナンスは、マンションとは違って自身で行います。メンテナンスは箇所ごとに費用がかかるため、イレギュラーな出費が増えるのはデメリットです。

建てる前の状態を確認できない

事前にイメージなどをしっかりすり合わせたうえで建築を進めるものの、完成までは実体が掴めません。

完成後にイメージと異なる箇所があった場合、簡単に直せないのもデメリットです。

 

階段の登り降りが負担になる

年齢を重ねるほど、階段の登り降りが億劫になってしまうでしょう。

場合によっては階段に手すりをつけたり、階段自体をリフォームしたりする必要があります。

家を建てる・購入する際によくある質問

建売住宅を購入するのと新築物件を建てるのは何が違う?
建売住宅はすでに完成している土地付き物件を不動産会社から購入します。

対して新築物件の建設とは、間取りやデザインなど、要望に沿った家づくりをハウスメーカーと相談しながら実現していくことという決定的な違いがあります。
建売住宅を購入する流れは?

情報収集→物件の見学→物件の絞り込み→購入申し込み→住宅ローンの事前審査→契約書・重要事項説明書の確認→正式に契約締結→住宅ローンの本申し込み→契約→内覧→残金の決済→引き渡し

上記の流れで進んでいくのが一般的です。

建売住宅を購入するのに必要な書類・費用は?
申し込み・住宅ローンの審査・売買契約の締結・住宅ローンの申し込み・住宅ローンの契約・引き渡しそれぞれの段階で必要な書類があります。
費用に関しては、手付金・申し込み証拠金・仲介手数料・固定資産税・都市計画税・不動産所得税・登記費用・印紙税・ローン借入費用などが発生します。
建売住宅を購入するメリット・デメリットを知りたい!
住宅ローンさえ完済してしまえば、資産として活用できる点がメリットです。

また、新築よりも短期間で新しい生活をスタートできるメリットもあります。

一方で、土地付き物件を購入することで住み替えが難しくなり、諸経費や維持費などもかかる点がデメリットです。

新築と比べて自由度が少ない点も、建売住宅ならではのデメリットと言えるでしょう。

家を新築する流れは?
予算の検討→イメージ作り→ハウスメーカーを選ぶ→モデルハウス見学・土地探し→間取りのプランニングと見積もりの掲示→工事請負契約の締結→プラン・詳細に関する打ち合わせ→着工

ここまでの流れを経て、完成後引き渡しとなります。

家を新築で建てるのに必要な書類・費用は?
検討・資金計画・住宅ローンの事前審査・時住宅ローンの本審査・購入決定・引き渡しの段階でそれぞれ書類が必要です。

費用に関しては、土地代・建築確認申請費・地鎮祭費用・中間金・上棟式費用・登記費用・ローン借入費用・最終金などが発生します。
家を新築で建てるメリット・デメリットを知りたい!
暮らしの自由度がアップすることで、人生に充実感が加わります。
また、生活音を気にせずのびのびと子育てができ、子どもに資産を残せることもメリットです。
一方で、建売同様メンテナンスが自己負担になる点や、階段の昇り降りが負担になるデメリットもあります。

実際に完成形が見えてくるまでイメージとの違いをはっきりさせられない点も難点でしょう。

まとめ

今回この記事では、家を建てることと購入することの違いについて解説しました。それぞれに必要な準備や、メリット・デメリットについて詳しく触れています。

収入や景気によって理想とする時期は異なるものの、いつかは自分の家を持ちたいと考える方も多いでしょう。

今回紹介した内容を参考に、賃貸から持ち家への切り替えを検討してください。
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