副業禁止の会社に勤めているけれど、別で収入が欲しい!不動産投資に興味はあるけれど会社にバレないか、バレてしまったらと思うと不安…そう思ってまだ手を出せていない方も多いのではないのでしょうか?
副業禁止の会社員や公務員などで、不動産投資を考えている人にとっては気になる問題だと思います。
この記事では会社の副業禁止についてから、会社にバレても大丈夫な不動産投資の注意点までしっかりと解説していきます。
Contents
会社で禁止されている事の多い副業
副業を禁止している会社は多いですよね。なぜ副業がダメなのか、どんなものが副業になるのかには会社側の理由があります。
なぜ副業が会社で禁止されているのか
そもそもなぜ副業が禁止されているのでしょうか。多くの会社が副業を禁止する背景として下記が挙げられます。
- 本業への影響、支障が出る
- 情報漏洩の危険性
- 問題が起こった場合のブランド毀損
本業への影響・支障が出る事が禁止の理由として、副業における労働時間の把握を会社側が行うことが難しいという点が挙げられます。
また、会社の機密情報を利用して副業を行う危険性があるため副業を禁止している会社もあります。
実際に裁判所が機密情報の情報漏洩にあたる行為として懲戒解雇を認めた事例があります。東京地方裁判所平成3年に判決がでた東京メデカルサービス事件という事件です。
- 医療用機器などを販売する会社の経理部長が、同業他社の代表取締役として勤務先と取引をしていたことが発覚し、懲戒解雇された事例
- この事件で経理部長という立場で知り得た情報を使い、競合になり得る同業他社で不当な利益を上げたとして、裁判所は経理部長への懲戒解雇を有効と判断
このように、会社側は従業員がしっかりと本業に集中するため、会社の機密情報を守るためなど、様々な理由で副業を禁止されてきました。
しかし、働き方改革により、最近では副業解禁する動きが盛り上がっています。政府が平成29年にまとめた「働き方改革実行計画」にも下記のように記載があります。
副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、 第2の人生の準備として有効。
政府が提言したように、今後副業が社会全体としても広まっていく方向にあります。サイボウズやロート製薬などの大手企業でも、副業が認められており、多くの企業が今後副業を認めていくでしょう。
副業禁止でも不動産投資はなぜ副業に適しているのか
現在お勤めの会社が副業を禁止している方も多いのではないでしょうか。しかし、実際のところ副業禁止の会社でも、不動産投資は副業規定に抵触することなく行える可能性が高いのです。
そもそも副業の種類にはどのようなものがあるか、よくある副業の例を挙げてみると
- ライティング
- 動画編集
- 休日のアルバイト
- プログラミング
などの種類があります。このような副業とは一線を画しているものが不動産投資になります。
なぜ、不動産投資は一般的な副業とは違い、副業禁止の中でも認められることが多いのか、その理由としては大きく3つあります。
副業で不動産投資を行ってもバレない理由
なぜ不動産投資は副業としてバレても大丈夫なのか、それは不動産投資というものが他の副業とは違った分類にされているためです。
不動産所得としてみなされる
所得には10種類(利子所得・配当所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得)があります。
その中でも不動産投資による賃貸収入は不動産所得、対して、多くの副業による所得は事業所得とみなされます。
国税庁のHPでも下記のように事業所得と不動産所得の違いを定義しています。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいいます。
ただし、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得になります。
引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm
つまり、そもそも所得の種類から、一般的な副業とは一線を画しているのが不動産投資なんです。確定申告をする際は、不動産所得として申告することになります。
世間一般的な資産運用としての認識
資産運用として最たる例が株式投資です。最近では、NISAやiDeCoのように株式投資が身近になっており、ご自身で資産運用されている方も少なくないのではないのでしょうか。
このNISAやiDeCoのような資産運用を禁止することは、特殊な会社でない限りありません。
ただし、資産運用の範囲を超えたものは事業としてみなされるケースがあり、副業規定に抵触する可能性があります。
情報漏洩リスクが低い
副業を禁止している理由として大きな理由の一つして、「会社の機密情報の漏洩」があります。しかし、不動産投資の場合、一般的な副業である個人のスキルを提供するようなものとは違います。
不動産投資の場合、物件を購入し、借主に貸付けるとういものです。個人のスキルを提供する際には、会社が持っている機密情報を使ったスキル提供というもの考えられますが、不動産投資の場合はそういった情報漏洩のリスクがありません。
気を付けないと副業禁止に抵触するケースも
ここまで不動産投資が副業規定に抵触しない理由を解説してきました。しかし、気を付けないと副業禁止に抵触してしまうことがあります。
5棟10戸の原則以内に収める
不動産投資による収入は不動産所得として申告すると紹介しましたが、規模が大きくなると事業所得として申告しなくてはいけない場合があります。
その基準となるのが「5棟10戸の原則」です。国税庁のHPでも下記のように規定されています。
不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断します。
ただし、建物の貸付けについては、次のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業として行われているものとして取り扱われます。(1) 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm
5棟10戸は事業規模で行っているのか、投資での範囲かの線引きのボーダーラインになっています。つまりこの範囲内での不動産投資を行う事がポイントとなってきます。
公務員は職務規定に違反する場合がある
公務員の場合は、「5棟10戸の原則」以外にも気を付けなくてはいけないポイントがあります。公務員の職務規定について記載した人事院規則では、不動産投資について2点注意点があります。
1点目は家賃収入を年間500万円未満に抑える必要があるということです。
前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」より
引用:https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2018/pdf/13113.pdf
家賃収入500万円の目安としては、例えば月6万円の家賃の場合を考えてみると
6万円×12か月=72万円
72万円×7戸=504万円
すなわち、公務員の場合は6万円の家賃のアパートの場合、7戸以上持つと職務規定に抵触し、副業としてみなされてしまうという事です。
2点目は入居者募集から家賃集金・管理維持に関して、すべて不動産管理会社会社に一任する必要があるということです。
不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
(2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」より
引用:https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2018/pdf/13113.pdf
本業がおろそかにならないためにも、不動産投資で面倒である維持管理から入居者募集まですべてを不動産管理会社に任せる必要もあります。
また、借主との間に、公務員として職務を行う上で利害関係がないことも求められています。管理委託をすべて任せていないと副業としてみなされ、規定に抵触してしまいます。
就業している会社の職務規定を要チェック
副業規定は会社ごとに異なっています。一般的な不動産投資の考えで許容している会社もあれば、厳しく制限を行っている会社もあるでしょう。
まずはご自身の勤めている会社の職務規定をご確認ください。
また、後々会社とのトラブルを避けるためにも、副業に好意的である場合は、会社に事前に相談を行うのも一つの手かもしれません。
副業で不動産投資を行う時の注意点
これまで会社に対する副業と、不動産投資がバレても大丈夫な理由を解説してきました。これならできそうだなと思った方もいるのではないでしょうか。
リスクを負いすぎていないか
不動産投資は実は多くの経費が掛かる投資でもあります。不動産投資を行う場合、最初にまとまった資金が必要です。
空室0で満室経営の場合は問題ありませんが、入居者募集を行ってもなかなか入居者が決まらないという場合は家賃収入0のため、毎月の返済だけがのしかかり、貯金や給与から返済する事となります。
また、賃貸経営には不動産管理会社への管理費、定期的な修繕費など多くの経費が掛かります。一般的な経費は下記の通りです。
- 管理費
不動産会社へ建物の管理(共有部分の清掃など)に支払う費用。相場は5%。清掃だけなら3%。 - 広告宣伝費
不動産会社がオーナーに代わって、入居者を募集する際に払う仲介手数料。相場は家賃1か月分。 - 修繕費
1棟所有の場合はあらかじめ自分で設定可能。一方区分所有の場合は管理組合への修繕積立金が発生。 - 共有部経費
外灯の電気代や共有の水道代などの支払い経費。区分所有の場合は管理費が発生。
これらの経費をかけた上で、しっかりと利益の取れる賃貸物件なのか、金融機関への返済は問題なくできるのかなど検討する必要があります。
本業への支障はないか
不動産投資はやることが多岐にわたります。本業へ支障が出てしまわないよう計算して始めるようにしましょう。具体的には以下のような内容です。
物件の選定
入居者募集
物件の管理維持
これらをすべて、ご自身で行おうとすると多くの労力と時間が掛かってしまいます。逆にすべてを不動産管理会社などのプロに任せてしまっては、経費が掛かってしまい良い利回りでの不動産投資をすることができません。
そのため、入居者募集は不動産管理会社に任せ、物件の維持管理(例えば共有部の清掃)はご自身で行うなど、不動産管理会社などのプロに任せる部分と、自分で行う部分をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
確定申告が必要になる場合がある
不動産所得が20万円以上ある場合は、必ず確定申告をする必要があります。このとき、収入ではなく、不動産所得が20万円以上であることが確定申告する際のポイントになります。
また確定申告をする事で損益通算をすることができる為、不動産所得が20万円もない人でも確定申告を行うことがおすすめです。
損益通算は所得を合算して税率が決まります。もし不動産投資が赤字の場合、損益通算を行い確定申告を行うことで、赤字分マイナスになり、給与所得の税率をさげることができます。
自宅をオフィスとすることで家賃や光熱費も経費にできる
自宅がオフィスとして業務に必要だと認められれば、家賃や光熱費を経費として申告することが可能になります。
家族への給与を経費にできる
白色申告の場合、収入から専従者給与として差し引けるのは、配偶者86万円、その他の親族は50万円と定額です。一方、青色申告の場合、上限は決められておらず一般常識的な範囲であれば経費として認められます。
赤字の場合、3年間繰越にできる
例えば、1年目が200万円の赤字、2年目が100万円の赤字、3年目が200万円の黒字の場合、3年目は100万円の赤字として申告することが可能になります。このように1年間で黒字の年と赤字の年が交互にあったとしても、1年ごとの計算だと多く払う年もあれば、少なくてすむ年もあります。一方、3年間繰り越しの場合、赤字の年と相殺して税金を支払うことができ、節税につながります。
30万円未満の減価償却資産は経費に
パソコンや自動車など一般的な減価償却を行う場合は、一括で減価償却できる金額は10万円以下と決められています。通常であれば耐用年数で割った金額を、耐用年数の期間経費として計上することが必要です。ですが、青色申告の場合30万円未満であれば一括経費にすることができます。
このように青色申告をすることで税金面で様々な優遇措置をうけることが可能ですが、会計ソフト入力や専門知識が必要になります。
不動産投資が会社員や公務員の副業として適している理由
不動産投資はすぐに大きく稼げるわけではありませんが、着実に資産を増やしていける投資として知られています。
そんな不動産投資を副業禁止の会社でもできるか不安に思っている方もいると思いますが、特に会社員や公務員の副業として適しています。その理由を以下で説明していきます。
- 時間や手間がかからない
- 金融機関から融資を受けやすい
- 老後の資金になる
- 生命保険の代わりになる
時間や手間がかからない
不動産投資は、不動産物件を購入し、人に住んでもらうことで家賃収入を得る投資法であるため、実働を伴いません。
また不動産投資は、不動産の管理や面倒な業務を管理会社に任せるのが一般的で、入居者の募集や、契約手続き、入居者同士のトラブル対応などを自分で行う必要がありません。
金融機関からの融資を受けやすい
不動産投資のための物件を購入する際、購入資金は自己資金ではなく銀行からの融資でまかなうのが一般的です。そして、金融機関からの融資を受けるには審査を通過しなくてはなりません。
しかし、会社員や公務員の人は毎月の収入が安定していることから、この不動産ローンの審査に通りやすいというメリットがあります。また貸出金利が優遇されることも多いと言われています。
老後の資金になる
最近では、会社員として定年まで勤めても年金だけでは老後の生活が苦しいと言われています。
早くから不動産投資をスタートさせて、計画的に返済できれば立派な資産形成になります。年金受給開始後は年金にプラスで家賃収入があるので経済的にゆとりのある老後を送るための助けになるでしょう。
生命保険の代わりになる
長期のローンを組む際は、団体信用生命保険への加入が義務付けられることが一般的です。
大きな資産を家族に残せることから、自分に万が一があったときに備えて、生命保険代わりに不動産投資を始める方も増えています。
遺された家族は相続した物件を売却してお金を手に入れることも、そのまま家賃収入を受け取ることもできます。家族に選択肢を与えられるのも大きなメリットでしょう。
不動産投資の始め方
不動産投資を始めたいと思っていても、何から始めたら良いか分からない方も多いと思います。不動産投資できちんと安定した収益を生み出すには、きちんとした手順で準備をしていくことが大切です。
- 不動産投資について勉強する
- 投資金額や目標を決める
- 資金を用意する
- 物件の選定・購入
- 入居者の募集
不動産投資について勉強する
不動産投資を始めるにあたって、まず重要なことは不動産投資について知識をつけることです。
最近では、投資物件の紹介から運用開始後の物件管理までトータルサポートをしてくれる不動産投資会社が増えていますが、大きなお金を動かすことでもあるため自分でも予め知識を持っておく必要があります。
不動産投資について学ぶ方法には、本やインターネットなど様々ありますが、不動産投資会社自らが開催している無料セミナーもあります。
目標や投資金額を決める
不動産投資は、「とにかく稼ぎたい」などといった曖昧な目標で行うと失敗をする可能性があります。そのため、「老後の資金の足しにするため月20万円の副収入がほしい」など具体的な目標を立てましょう。
また「なぜ自分は不動産投資を行うのか」といった投資をする目的を詰めておくことも重要です。
資金を用意する
昔に比べて現在では、融資の審査基準が厳しくなっています。そのため自己資金がないままフルローンで購入するのは難しく、予めある程度の物件購入資金を用意しておく必要があります。
物件の選定
目標に加え、資金計画を練り終えたら、次は物件選びです。戸建て/マンション、新築/中古、1棟/区分など不動産投資と言っても用いられる不動産は様々です。
また魅力的な物件であっても、都心や地方などのエリア、駅チカといった立地なども得られる収入を左右します。事前に数年後もニーズの高い物件なのか十分確認しておくことが大切になります。
また物件選びに迷ったら、不動産投資物件を紹介してくれる不動産投資会社もあります。そのまま運用開始後の管理も代行してくれる会社も多数あるため、資事前に料請求やセミナーに参加してみるのも良いでしょう。
物件の購入
購入したい物件が決まったら申し込みをし、買付申込書を物件の売り主に提出します。
だたし、物件を購入したい人が複数いる場合などもあるため買付申込書を提出したからといって必ずしも物件を購入できる訳ではないという点に注意が必要です。
入居者の募集
物件が購入できたら入居者の募集をします。自分で行うことも可能ですが、法的な知識も必要になるため、不動産投資会社など専門家に頼むのが一般的です。
よくある質問
他の副業と違い不動産所得として分類、資産運用とみなされる為、会社側がOKを出しやすい為です。
本業である仕事に支障が出たり、会社で使用するスキルや情報が外部漏洩するリスク、よって会社のブランド毀損が起こる可能性を会社側が無くすために禁止している事が多いです。
ライティング、動画編集、休日のアルバイト、プログラミングなどが禁止されている事が多いです。
経費と収入が見合うかどうかの計算と、本業が疎かにならないようにする仕組みを始める前に考えておく点と、規模が大きくなると事業所得として申告しなければならなくなる点に注意すると良いでしょう。
まとめ
不動産投資が会社にバレても大丈夫な理由と不動産投資の注意点を解説してきましたがいかがでしたか?
不動産投資は副業が出来ない会社にお勤めの方には特におすすめの副業と言えます。